エピソード
vol
12

ケアマネジャーやソーシャルワーカーにも助けられながら

2014年01月23日

お一人暮らしだった90代の男性。退院後、ご自宅での生活を希望されていましたが、現実的に独居は難しく、ご家族様が生活全般を支えることになりましたが、徐々に負担が…。ケアマネジャーやソーシャルワーカーへの相談を重ねるうちに、ご本人様のお気持ちにも変化が表れ始め―。

私(お客様相談担当M)がご相談を受けた事例を紹介いたします。

徐々に迫る、「介護の限界」

ある日、ケアマネジャー(以下、ケアマネ)から「退院後、急ぎで老人ホームの入居を検討されている方がいらっしゃるので、パンフレットがほしい」というご連絡をいただきました。「A様は奥様が8年前に亡くなられ、お子様もいらっしゃらず、お一人での生活を継続することは難しいので、至急ホームへ入居するよう、ご家族様に相談したい」というお話でした。
ケアマネ、そして、ご家族様とも話し合いをしたところ、療養型の病院か有料老人ホームへ入居するかで悩まれ、糖尿病などの持病もあることから、いったん、療養型の病院へ入られることになりました。弊社とのご縁は切れたかのように思えましたが、それから2年後に突然、新しいケアマネから「ご家族様とA様を連れて、いくつかのホームを見学したい」というご連絡をいただきました。
この頃、療養型の病院は退院され、ご自宅で生活されていましたが、甥御様とヘルパーが毎日のお食事や洗濯、週1回の入浴介助を行っていました。また、通院などには遠方の弟様が介助に来られていて、体力面でも精神面でも限界が迫ってきていました。ご本人様もそのことを感じられていたご様子で、弟様がいらっしゃったタイミングでケアマネがホーム見学を提案してくださったとのことでした。

ホームへの入居に揺れるお気持ち

A様は、ベネッセのホームをご友人からすすめられていたとのことで、ご興味はお持ちのようでしたが、「今日は自分の代わりに見学してきてほしい」と、弟様と甥御様、ケアマネに託され、当日はお越しになりませんでした。ご家族様は、ホームを気に入ってくださいましたが、A様は、まだまだご自宅で暮らすことを希望されていました。
数日後、ケアマネから、「再度、先日のホームを見学したい」とご連絡をいただきました。通院で外出をされた際に、A様がご家族様のお気持ちを汲まれたのか、「今すぐ見学したい」とおっしゃったそうで、ホームを見にいらしてくださいました。「どうせ入るなら、立派なところがよい」と、眺望のよい部屋をご予約いただきました。
しかし、しばらく経っても、A様からもケアマネからも、ご連絡がありません。心配になってケアマネに連絡をしたところ、入居前の健康診断でガンが見つかり、入院されたため、担当が病院のソーシャルワーカーに変更になったということでした。すぐにケアマネに紹介を依頼し、新しいソーシャルワーカーにA様のご様子をうかがったところ、A様は「長生きしたい」とおっしゃって、90代という高齢でしたが、手術に耐えられたとのことでした。

訪れた安心の暮らし

一度はホームへの入居を決められたA様でしたが、やはり、退院後はご自宅に戻りたいお気持ちが強くなったご様子。そんな折、ソーシャルワーカーが退院後の独居生活を心配され、親身に相談に乗ってくださっていました。そのお気持ちが通じたのか、あらためてホームをご見学され、日当たりや景色、設備や周囲のスペースなども気に入るお部屋を、納得して決めていただけました。

ホームに入居されてからは、サービスや雰囲気に安心されたご様子で表情も明るくなり、日々、会話を楽しまれながら過ごされています。遠方のご家族様に代わり、A様をいつも近くで優しく見守られていたケアマネや、お気持ちを深く理解されていたソーシャルワーカーが、A様の心を溶かし、安心の暮らしへつなげることができました。
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