エピソード
vol
32

「生活圏に、ホームがある。そのことが今後の救い」とお問い合わせをいただいて

2014年06月12日

20年前に旦那様を亡くされて以来、一人暮らしをされている70代のA様。「親族とは縁を切って身寄りがないので、今の住まいを売却して、一生そこで住む以外私には選択肢はありません。」と…。

私(お客様相談担当M)がご相談を受けた事例を紹介いたします。

将来への漠然とした不安感からのご相談

「保証人を立てられず、費用が足りるものか気掛かりですが、私でもホームに入れますか?」A様からのお問い合わせはそんな言葉から始まりました。

ご自身で車の運転もされるA様でしたが、脊柱管狭窄症の持病をお持ちのため特に階段の昇り降りがおつらい状態でした。また諸々のご事情から親族の方とは縁を切られており、身寄りがありません。今後に備えるのであれば「人が居るところがいいからホームに入居したい」と、住み替えをお考えになられたそうです。

また、住み慣れた町の環境に大変満足されていて、地元を離れたくない、という思いもありました。それで、当時ご自宅近くに建設中だったベネッセのホームに興味を持たれ、ご連絡をいただいた次第でした。

「このAホームが今後の私の生活の救いです。今の住まいを売却して、一生そこに住む以外、私には選択肢がありません。そのためには、多少部屋が狭くなっても構いません」とかなり強いお気持ちで語られていました。

70代でまだまだお元気なA様にとって、「介護」を受けられる環境に身を置くことが必要な訳ではありません。ただ、時折テレビで報道される「孤独死」という言葉を目にする度に、お一人の生活への不安が広がります。漠然と、しかしいつも心のどこかに拭えぬ不安を抱えていらっしゃる状態でした。

共に考えて出した結論。その時の資産に合わせた、移動の可能性も踏まえてのご契約

A様の強いお気持ちに応えるため、入居のために必要な手続きを私たちの方でご紹介しながら、検討を進めていきました。

ご心配されていた保証人については、過去のご入居者様が契約をされていたNPO法人と保証協会をご紹介させていただきました。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の入居には、通常、『身元保証人』が必要となります。「身寄りの方がいない」「家族はいるが、頼めない」という場合に、保証人の選定が入居時の障害になる場合があります。『保証協会』は、保証人が担う債務の連帯保証、身柄引受の代行などを行う民間組織です。身寄りのないA様も、この保証協会と契約していただくことでご契約可能となりました。

費用については、すべての資産を確認させていただき、月々の決まったご利用料以外の費用として医療費やもっとも介護費用が高い要介護度5の場合の費用でシミュレーションさせていただきました。同じマンションの他のお部屋の売却価格から計算し、80歳で満期になる定期預金と合わせて、あと20年は余裕をもって生活できることを確認しました。

A様は、「20年暮らせるのであればAホームへ入りたい」とおっしゃり、残りの資産で不安を感じるようになった場合には、その資金にあったホームへのご移動をするということを考えられていました。

その時には保証協会と一緒に私たちもご移動先を検討させていただくことをお伝えすると「きっとここで一生過ごせると思うけれど、もしも心許無くなった場合に、行き先を一緒に探してもらえるなら安心だわ」と、Aホームへのご契約を決められました。

ホームでは若者としてコミュニティづくりを楽しまれる生活

ご入居当初は、ご入居者様方の平均年齢が85歳ということで70代のA様は「特別社交的な性格ではないし、人間関係がうまくいくかしら」との不安もお持ちでした。しかし、ホームの行事にはすべて参加され、ほかのご入居者様方と自然な関係性づくりをされて生活されています。

マンションはまだ売り出し中ですが、購入希望の方が見学に来られる時にはマンションで立ち会いをされています。「いろいろな処分は先に済ませられたし、こうやって立ち会うこともできて、元気なうちに自分で動けて良かったわ」と、「人がいる生活」を早めに手に入れられたことに満足されていらっしゃいます。
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