エピソード
vol
38

人生は突然何が起こるかわからない。元気なうちに私の人生を楽しみたい

2014年11月27日

大学を定年退職された後、母娘二人で暮らされていた70代のA様は「ある日突然、家に向かってどう歩いていいかわからなくなった」というご友人のお話を聞き、「明日は我が身。今のうちに人生を楽しまなくては」と思われて。

私(お客様相談担当N)がご相談を受けた事例を紹介いたします。

自分の人生を楽しもうと決められて

70代で大変お元気なA様は、長年勤めた大学教授の職を定年退職された後、娘様と二人暮らしをされていました。しかし、ご自宅ではあまり得意でない炊事や洗濯、掃除に追われ、自分の時間がなかなか持てないことに、少し不満を持たれていました。

ある時、ご友人から「突然、家に向かってどう歩いて良いかわからなくなった」というお話を聞き、「自分もいつまで元気でいられるかわからない。元気なうちに自分の時間を大切にして生活を楽しんでおかなくては!」と思い立ったそうです。

「娘ももう成人しているんだから、今後はお互いに自立した生活をすればいい!これからは私の生きたいように生きるわ!」

そう決意されたA様は、自分のやりたいことをトコトン楽しむため、家事の煩雑さから解放されつつ安心して長く住める環境を求め、旧知の友人などとも会いやすい交通の便利なエリアで老人ホームを探し始められました。

最初のご見学の際には、長時間に渡り今に至る経緯やお考えをお話しくださいました。

また、会社の運営存続や今後の費用の支払いに対するご心配、お部屋の収納量や、実際の生活を始めたあとほかのご入居者様と仲良くできるか、自分のこだわりである毎日の入浴についてなど幅広いご相談・ご質問をいただきました。

会社の運営については、決算報告書を元にご説明させていただき、入居後の費用については、100歳までに実際に発生する費用+お小遣いを計算し、ご検討いただくことになりました。入居後のご不安については、実際のお部屋をご覧いただき、収納の大きさからお持ちいただく荷物を一緒に検討いたしました。

ほかのホームも検討したいということで、その日はいったんお帰りになられ、その後は新規ホームが開設する都度ご案内させていただき、立地・設備などご説明させていただきました。

ご契約に向けての準備

改めてご入居に向けて相談があったのは、最初にご見学いただいた1年後でした。

その頃には、家と土地を娘様に生前贈与しており、その他の有価証券や預貯金をご自分の今後の生活資金として確保されていました。

時間をかけいろいろなホームをご覧いただいた結果、山手線の駅から徒歩圏であり、もっとも交通の利便性がよく静かな住環境にあるホームを最終候補とされました。

最終候補のホームが決まりましたので、その後はご入居後の不安について一つひとつ解決していきます。

毎日の入浴のご希望については、今まで住んだことのない地域に転居されるため、体験中はホームのお風呂ではなく、近隣の銭湯に行かれることを地図を用意して提案させていただき、「それはいいわね」と大変喜んでいただきました。

ほかのご入居者様との関係については、気が合いそうな方をお食事の際に同じテーブルにご案内することとして、体験利用中にご検討いただくことにしました。

体験利用された結果、ホームのスタッフがほかのご入居者様を介護している姿を見て、「将来、自分に介護が必要になっても安心できる」とすぐに長期利用のご契約をいただくことになりました。

煩わしいことから解放され、ご自分の時間を楽しむ生活

長期でご利用いただき1ヶ月後に、当初に期待していた生活ができているか様子をうかがいにお部屋へお邪魔すると、お留守でした。スタッフに聞いたところ、お一人でアラスカにオーロラを見に行かれているということでした。

改めて帰国後にうかがうと「パソコンを習い始めたのよ。今日は先生が来てくれるの。若くてかっこいい先生なのよ」と、とても楽しそうにお話しくださいました。ご家庭の家事などから解放され、まさに自由を謳歌されている様子に大変うれしくなりました。

「突然何かがあったとしても、プロがいるから任せておけばよい」という環境で、A様は「煩わしいことから解放されて今の人生を楽しみたい」というご希望を心おきなく実現されています。
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