体験談
vol
51

歩行が困難になり車椅子でホームに入居。102歳の今も月2回、大好きな将棋の対局を楽しんでいます。

2018年07月31日
  • ご入居時期
    2010年3月
  • ご入居者様
    102歳 女性
お話を
伺った方
W様(ご本人)
ホーム名
リハビリホームグランダ哲学堂公園

77歳まで車の運転をして充実した生活を謳歌していたW様は、93歳で歩行が困難になったため老人ホーム入居を決め、ご長女にホーム探しを依頼されました。

私が75歳のときに夫が亡くなり、以来一人暮らしをしていました。転勤族だった娘夫婦が東京に戻ってきたのをきっかけに長屋形式の2世帯住宅を建てましたが、娘に頼らず自立した生活を送っていました。77歳まで車の運転をしてボランティア活動をしたり、国内外のツアー旅行に一人で参加したり。毎日がとても忙しく、充実していました。70歳で始めたボーリングは一緒に通っていた友人たちがポツポツやめていくなか、一人で続けていましたが、次第に尻もちを繰り返すようになったので私もやめました。
尻もちの原因は年のせいで足が弱っていたのでしょう。膝の痛みが激しくなって病院へ行ったところ、変形性膝関節症と診断されて長らく通院していましたが、10年前に医師から「週1回の注射を続けても治らない」と言われて通院をやめました。そして、93歳になった頃から歩行が困難になり、階段の上り下りができなくなりました。
自宅で2度ほど転倒してまったく動けない状態になったこともあり、老人ホームへの入居を決め、娘にホーム探しを頼みました。私は以前から自由に身体が動かせなくなったら、娘に迷惑をかけるよりホームに入ろうと考えていたのです。

ホーム入居後、栄養バランスのとれた食事で「自宅にいたときより元気」になられたW様。99歳で白内障の手術をされて視力が回復し、大好きな将棋の対局が再開でき毎回3時間も集中されています。

娘は何軒かのホームを見学したようですが、自宅近くで評判のよい「グランダ哲学堂公園」に決めてくれました。94歳で入居した時は、食事のときに車椅子からダイニングの椅子に移ることができましたが、徐々に椅子に移ることも立つこともできなくなりました。
身体はきかなくなってきても、頭はしっかりしています。スタッフの方たちから、「新しいお仲間がきたときはWさんの隣に座ってもらうので、ホームのことを教えてあげてください」と重宝がられています。おかげさまでお仲間のお名前は全部知ることができ、おしゃべりも弾みます。
食事はレバーなど苦手な食材が出ても、絶対残さないことを自分のルールにしています。栄養バランスを考えられたメニューなので、自宅にいたときより元気で、現在服薬は血圧のお薬ひとつだけです。ホーム生活で楽しみなのは、演奏アクティビティと将棋。将棋は60歳から始めたのですが、初段の腕前です。部屋では詰将棋をして、月2回はボランティアの方と3時間集中して対局します。
99歳のとき白内障が原因で視力が低下し、詰将棋も対局もできなくなりました。生活も不自由で不安になったので手術をしたところ、びっくりするほど視力が回復しました。将棋が再開できたことで気持ちも明るくなり、スタッフの方たちも自分の親のことのように喜んでくれました。

「自分でできることは自分でしたい」102歳のWさんは意気軒昂です。ご長女のご訪問もご連絡も必要最低限にと伝えていらっしゃるそうです。

こちらのホームのスタッフの方たちは、皆さん親切ですが、私はできるだけ自分のことは自分でしたいと考えています。自室でのトイレやベッドへの移乗も、ちょっとしたコツをつかめばできます。体調の悪いときはスタッフの方をすぐ呼べるので、安心して暮らしています。
私は72歳の娘の訪問回数は少なくていいと思っています。娘には、「私のことは心配いらないから、今のうちに夫婦で世界中を旅行しておきなさい」と言っています。携帯電話への連絡も夜7時40分だけと決めています。スポーツや音楽など見たい番組をテレビ雑誌でチェックしてあるので、電話に出られないことが多いぐらい。娘は少しぐらい自分に頼ってほしいと思っているようですが、ホームにいればスタッフの方たちが大勢いるから大丈夫です。

1時間の取材中、よどみなくお話を続けられ、同席したスタッフも改めて感心していました。「Wさんは、ホームの重鎮でみなさんの目標になっています」とスタッフから言われ、

満面の笑顔を見せてくださいました。

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