エピソード
vol
29

「突然何かがあったらどうしよう」~家族に頼らず納得のいく住まいを探す~

2014年05月15日

自立で料理がお好きなA様は、旦那様が突然亡くなられた後、忙しい息子様たちには頼らず、お一人で老人ホームの入居検討を始められました。そこから2年間、お荷物と共に、お気持ちの整理のお手伝いさせていただきながら…。

私(お客様相談担当H)がご相談を受けた事例を紹介いたします。

お一人暮らしの不安から

80代でお元気なA様は、旦那様を亡くされて以来、日々「自分にも、突然何かが起きたらどうしよう」と不安を抱えられながら、広いマンションでお一人暮らしをされていらっしゃいました。近くに住む息子様たちは忙しく、迷惑はかけられないと、財産の管理については銀行に、将来のご生活についてはご自宅近くのAホームへご自身で相談されていました。
A様は、リウマチで膝や手首が痛く、重い荷物の買い物や掃除が億劫とはおっしゃるものの、毎日の家事はすべてご自分でされ、今後も自炊を続けたいとご希望されていました。
しかし、広くてご自宅と同じような広さのキッチンのあるお部屋をご希望であり「思ったより高いわね。これは払えないわ」と言われたことから、高齢者マンションへの住み替えも含めたご提案をさせていただきました。
息子様たちには決して頼らないと固く決心をされているA様の様子を見て、私は「お困りごとの解決策を一緒に探すパートナー」になろうと決め、その後、月に1回はご連絡をさせていただき、お話をうかがうようにしました。

設備と費用で納得のいくホームを求めて

しばらくすると「元気なうちにホームへ入った方が自分なりの生活のペースが作れるし、いざ介護が必要になっても知っている人たちに看てもらえるのがよいと思って」と、自宅売却に向けた準備をされているとのお話がありました。
その後、「本格的に荷物の整理をしたいがリウマチで手が痛くて困っている」とご相談をいただいたため、ご自宅にお手伝いにうかがい、旦那様や息子様のお話をたくさん聞かせていただきながら、1日がかりでエアコンの掃除や家具の移動、処分などのお手伝いをさせていただきました。
A様は、ご自宅の整理と同時にホームの見学も着々と進めていらっしゃいました。住み慣れたご自宅近くの他社のホームやベネッセのホームをご見学され、その都度「あなたは忙しいと思ったから連絡しないで一人で見てきたけれど、報告するわね」とご連絡をくださります。見学のたび、ホームでの生活にかかる費用をすべて試算され、気になるホームは何度も繰り返し見学をされながら、ご自分が納得できるホームを求めてご検討を重ねられました。

もう、突然何かが起きても、大丈夫。

A様は、新しく開設したベネッセのBホームで納得のいくお部屋をみつけられると、大変に喜ばれ、すぐに寸法を確認されて、ご自宅から持参されるものと処分するものの仕分けにとりかかられました。ご入居に向けた準備のすべてをご自分だけでされていらっしゃいましたので、私も3度に分けて家具の処分などのお手伝いをさせていただきました。
旦那様がお元気な時には、すべてを旦那様に頼られていたというA様。ご自分の将来のことは「突然何かが起きたら」とのご不安に備えるためにと、すべてご自分で決断を重ねられました。ご意志が明確だったA様に私がさせていただいたことは、主にお話相手と、手や力が必要な時の腕になることだったように思います。しかし「困ったときに相談できる人がいる」と頼っていただいたことで、そのような存在になることの大切さを身にしみて感じることができ、今も大変印象に残っているケースです。
A様は、ご入居されるまでは人間関係が不安だとも漏らされていましたが、入居された後は、「若い孫世代のスタッフがみんな話をよく聞いてくれてとても嬉しいわ。もう、何かがあっても安心。ずっとよろしくね」とスタッフとの新しい人間関係を大変に喜ばれてお過ごしいただいています。
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