エピソード
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癌治療の副作用で急激に体力が落ち~介護施設を3日で探したい~
2014年03月06日
癌を患われていた要介護2の80代のお母様。薬の副作用で急激に体力が落ち、またいつ容態が急変するかわからないご状態に。ご家族様は、「一人暮らしの自宅に戻るのは、もう無理だ」と、急遽、24時間看護職員が常駐するホームを探されることになり―。
私(お客様相談担当N)がご相談を受けた事例を紹介いたします。
3日後に迫った退院に向けて
治療のため、大学病院に毎月2泊3日の入院をされていたお母様は、とても自立心が強く、体調を崩されてからもなお、一人暮らしを続けていらっしゃいました。しかし、1ヶ月の間に薬の副作用で急激に体力が落ち、歩くことが難しくなって、車椅子で生活されることになりました。看護師をされていた奥様は、「もう一人暮らしは難しい」と判断され、「私たちの自宅の近くで、大学病院にも通いやすく、癌でも受け入れてくれるホームはないか」と、有料老人ホームの紹介センターにご相談されました。そして、その日のうちに、ベネッセのホームで24時間看護職員を配置する「メディカルホーム」へご見学に来られました。退院の期限があり、ご利用を急いでいらっしゃったため、ご家族様は、血液検査の結果や今までの治療のこと、飲まれている薬など、お身体のご状態が分かる資料をあらかじめ用意してお越しになりました。ご入居に必要な書類にも、その場で記入され、お部屋のご予約もされました。「急ぎとはいえ、明日、他のホームも見てから決めたいと思います」とおっしゃったので、ご入居を決めていただけた場合には、すぐにホームの看護職員と一緒にお母様へご挨拶にうかがえるよう準備し、ご連絡をお待ちすることにしました。
翌日の夕方、ご家族様から「ベネッセのホームに決めました」とご連絡をいただき、さっそく、看護職員と病院にいらっしゃるお母様のもとへうかがいました。お母様は、私たちから見てもお一人暮らしができるご状態ではありませんでしたが、明日、退院することは決まっています。最短でどのようにお受け入れの準備ができるかを看護職員と考えながらホームへ戻り、ホーム長に翌日の入居受け入れを相談しました。
確認不足があれば、ご入居されてから
ホーム長は、ご本人様とご家族様の状況を聞くと、翌日のご入居受け入れを決めました。看護職員と私で、すぐにお母様のご様子をホームの皆に共有し、ホーム長と相談しながら生活プランを作り、さっそくお受け入れの準備を進めました。通常は1週間程度で進めている準備を、今回は特急で進めます。ご病気への対応についても、確認不足があるかもしれません。ご入居後、生活していただく中で、お母様のご様子をしっかり知っていこうと、ホームのスタッフ全員で確認し合いました。
それから2年後、お別れはホームで
ご入居後、お母様は約2年間、体調が良い時にはお買い物やホームのアクティビティを楽しみながら治療を続けられ、最期はホームでご家族様に見守られながらのお別れとなりました。ご家族様からは、「いろいろな治療を経験しているので、さまざまな副作用があるし、いつ急変するかもわからなかったので、あの時、すぐに受け入れをしてもらえて、本当にありがたかったです」というお礼のお言葉をいただきました。
お問い合わせから3日間という短い間で、ホームのスタッフと共にお受け入れをさせていただき、最期のお看取りまでホームでさせていただいたことは、今も私の中でとても印象に残っております。