エピソード
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自ら進んで入居をご検討。楽しく、自分らしく暮らすホーム
2017年07月25日
自転車に乗ってふらりと見学に来られた90歳前半の男性、「わかった、娘を説得する」。 そして1年後、入居お申し込みの電話が…。
私(お客様相談担当のM)がご相談を受けた事例を紹介いたします。
10年以上続いた一人暮らし
90歳前半の男性A様は、奥様が亡くなってから10年以上、料理・洗濯などの家事もこなしながら一人暮らしを続けてこられました。ぜんそくの持病があるとのことですが、足腰もしっかりしており、とても元気な方でした。ある日、メディカルホームにふらりと自転車でお越しになり、こうおたずねになりました。
「メディカルって何だい?元気な人も入れるの?」
私たちは、ホームに看護職員を24時間配置していること、看護職員にしかできない医療的ケアができること、病院との連携がとれていること、お元気な方、自立の方もご入居いただけることなどをお伝えしました。
すると、「ここなら具合が悪くなっても、住み続けられるのだね」とたいへんお気に召した様子で、「わかった、娘を説得する」とおっしゃったのです。
A様には、娘様が一人。ご結婚され、別の場所にご家族と暮らしていらっしゃいます。
一時期、娘様が海外にお住まいだったとき、A様が救急搬送されたことがありました。そのとき娘様になかなか連絡がとれなかったことがホーム入居を検討するきっかけになったとのことでした。
「楽しそうなホーム」と安心された娘様
A様から「入居を申し込みたい」とお電話があったのは、見学に来られてから約1年後のことでした。A様は、これからの生活について娘様とじっくり話をされたそうです。娘様も一人暮らしを心配されていたので、ホームで暮らすことに反対はされませんでした。A様と一緒にホームを見学された娘様は、メディカルホームならではの医療的ケアが受けられることや、スタッフの姿を見て、「ここなら任せられる」と思ったそうです。そして決め手になったのは、メディカルホームだから重いご病気やお身体の不自由な方が多いのかと思っていたら、実際は元気な方も多く、とても楽しそうな雰囲気だったことです。
その後すぐにご入居が決まり、翌月からA様の新しい暮らしがスタートしました。
「介護が必要だからホームへ」ではなく
A様は聡明で、とても明るい方です。お元気なので、自ら何でもおやりになり、体操などのアクティビティに参加され、週に1度、ご近所のお年寄りサロンにお出かけになり、ときどきご自宅へ戻られるなど、自分らしい生活を大切にされています。また、入居前からのお付き合いも大事にされ、ホームにお友達がよく遊びにいらっしゃいます。A様の周りにはいつも人が集まり、95歳を過ぎた今も元気に充実した毎日をお過ごしになっています。また、時にはさまざまなご意見をいただきます。私やスタッフが気づかないようなこともご指摘いただくことがあり、とてもありがたいと思っています。
介護が必要だからホームに入るのではなく、先々の生活を見据えてすすんでご入居され、ホームでご自分の生活をつくり、楽しんでおられるA様。お元気なうちに自らホームを検討される方も増えてきた今、ホームに求められる役割がさらに多様化していることを実感しています。