エピソード
vol
22

最期は穏やかに、温かみのある環境で~ホームでの看取りのお手伝い~

2014年04月17日

「お医者様からホスピスをすすめられている人でも受け入れてもらうことはできますか?」初めてお問い合わせをいただいた際はお急ぎのご様子はありませんでしたが、1ヶ月後のご連絡は、緊急を要する言葉で始まりました…。

私(お客様相談担当O)がご相談を受けた事例を紹介いたします。

初めは先々の安心のためのお問い合わせから

次女様と同居をされていた80代のお母様は、脳梗塞や肝臓に持病がありながらも、最近は近隣の内科に薬をもらう程度で、夏の暑さで食欲不振を起こされることはあってもお元気で、週1度ヘルパーさんに入浴を介助してもらう他は、ほぼご自分でご生活をされていらっしゃいました。
ご自宅の近所にホームが出来た際に、次女様から「うちにも検討者がいるので」と資料請求をいただきましたが、特にお急ぎのご様子はありませんでした。

突然の入院と全身に広がる癌

しかし、それから1ヶ月後にご連絡いただいた際には、ホームでの看取りについてのご相談になりました。急に食事が摂れなくなり、昨日から入院。べット上で点滴を受け、おむつの生活になっている。検査の結果、診断書には、『全身衰弱』などと共に、『全身に癌が広まっている可能性あり』と書いてあったとのこと。今回初めて肺癌が見つかりましたが、もう治療の施しようがなく、痛みも無いので治療はしない方針で、本人にも告知をするつもりはない。
お医者様からはホスピスをすすめられたものの、空き室がなくてすぐには入れない。1日でも早く退院して、穏やかな最期の時を過ごさせてあげたい。どこか受け入れてくれるところはないだろうか。と、ご姉妹でご見学にお越しくださいました。

穏やかな最期を

看取りや緊急時の対応についてご要望をおうかがいし、医師が常駐をしていないため、痛み止めに麻薬が必要な場合の対応に制限があること。ホームでお手伝いさせていただけることと、難しい事柄。とても短い間のご利用になるかもしれないことなどをご説明したところ、ご了承、ご納得をいただきました。
娘様たちからは「本来は病院にいるべきで、相談するべきではないのかもしれません。ごめんなさい」そんなお声が聞こえてくるような場面が何度もありました。
私は、「ここは、最期を迎える場所でもあります。医療的な部分では対応に制限がありますが、家としての温かみある環境と、スタッフや看護職員の優しいお声がけなどの「豊さ」をご用意しておりますのでご安心ください。」とお伝えし、ご不安がなくなるまで一緒にご入居後の生活を考えました。
その後のご利用は大変短い期間となりましたが、『病院ではなく、穏やかに最期を…』というご家族の想いを一緒にお手伝いさせいただくことができました。
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