手芸や散歩など、普段の生活や楽しみがそのままリハビリになっています
リハビリホームまどか蕨に9年前から住んでおられるT様は現在87歳。ご自分の足で移動し、ホームで穏やかな日々を送っておられます。
「私は30年来、京都に住んでおりましたが、夫に先立たれ、子どもがいないために一人になってしまいまして。多少、体の心配もありましたので、関東に住む弟家族の勧めでこちらのホームに入ることにいたしました」
京都からの移住に心配や不安はなかったのでしょうか。
「京都には身寄りがいたわけではく、迷いはありませんでした。ここに来てからは、ひと月おきに弟家族が4人で訪ねてくれまして、おしゃべりをしたり、私の作った作品を気に入って持ち帰ってくれたりしてと、楽しく過ごしています。こちらは気候が温暖なのも気に入っています。京都の冬は底冷えがして、夏はとても暑いのですよ。それから、お水が美味しいこともうれしいですし、環境も静かで最高です」
すっかりこの場所が気に入られたT様。日々の暮らしも充実しているようです。
「朝は5時30分に起床してテレビ体操をします。昼過ぎには般若心経の写経をし、壁にかけたカレンダーには日々の出来事や、スタッフの方のお名前などを書き留めています。午前中のホームでの体操、午後のアクテビティにもよく参加しますよ。百人一首などの遊びやら手芸やら。私は9年の間にいろいろなものを作りました。例えば、毛糸の編み物や、ちりめん布の十二支、クリスマスリースや雛人形など。もともとセーターを編み機で編んだり、手芸をするのが好きでしたから。運動がてら、スタッフの方に付き添っていただき、手押し車で近くの図書館に本を借りに行くこともあります。また、初詣やお花見にも連れて行っていただいています」
このように楽しみながらの活動は全てリハビリになっています。ホーム長によると「その方の能力を伸ばすために何をするのがいいか、作業療法士や理学療法士と相談してプログラムを立てています。T様は手先を使うことがよい刺激になっていますし、目的を持って歩かれることで足腰にも精神的にもいい効果が出ていると思います」とのこと。
「今日は取材だと伺って緊張してしまいましたが、いろいろなお話が出来て楽しかったです。実は昨年秋、幻聴や幻覚が聞こえて、眠れない日々が続き、とても辛かったことがありました。でも、スタッフのみなさんから昼夜見守っていただいているうちに、少しずつ元気を取り戻していきました。今日、楽しくお話が出来るのは夢のようです」
ホーム長とは入居当初からのお付き合いだそうで、
そんな気心の知れたスタッフとの心の交流も、T様の支えとなっているようです。
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