介護保険サービスの自己負担分
介護保険のサービスは1割または2割負担
なんといっても心強いのが介護保険の介護サービスです。要介護1~5に認定された人が利用できる介護サービスには、「在宅(居宅)サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3種類があります。
自宅で暮らしながら利用できるのは「在宅(居宅)サービス」で、入浴、排泄、食事などの介助(身体介護)や家事援助(生活援助)を行う「訪問介護」、日中だけ施設で過ごす「デイサービス」、施設に短期間泊まる「ショートステイ」、ベッドや車椅子をレンタルできる「福祉用具貸与」、「訪問看護」、「訪問入浴介護」などがあり、自分に必要なものを組み合わせて利用します。介護サービスは要介護度別に利用できるサービスの量(支給限度額)が決まっていて、支給限度額の範囲内であれば、自己負担はかかった介護サービス費の1割(※一定以上の所得者の場合は2割)で済みます。しかし、支給限度額を超えた分や、介護サービスの範囲外で利用したサービスに関しては全額自己負担になります。
有料老人ホームなどに入居した場合でも「在宅(居宅)サービス」が受けられ、自己負担額も1割(※一定以上の所得者の場合は2割)です。ただし、入居先により支払い額や支払い方法が違います。住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、シニア向け分譲マンションの場合は、外部の介護サービス事業者を利用するため、自宅と同じように利用した分だけ支払います。一方、介護付有料老人ホーム、介護型ケアハウスでは、「特定施設入居者生活介護」といって、施設スタッフにより介護サービスが提供されているため、料金も要介護度ごとに決められた額を支払う定額制になっています。
「施設サービス」は施設に入所して介護サービスを受けるシステムで、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)や介護老人保健施設、介護療養型医療施設がそれに当たり、介護サービスの料金は定額制です。
「地域密着型サービス」は、介護が必要な状態になっても住み慣れた地域で暮らし続けるためのサービス群で、小規模な施設へ入居して受けるサービスと、自宅に暮らしながら受けるサービスがあります。施設に入居した場合の料金は要介護度ごとに決められた額を支払う定額制(※自己負担分1割または2割)です。自宅で暮らしながら受けるサービスには「小規模多機能型居宅介護」「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」などがあり、料金は「在宅(居宅)サービス」同様、利用した分だけの支払い(※自己負担分1割または2割)となります。
なお、介護サービス費用はサービスごとに単位が決められていて、1単位10円を基準に計算します。しかし、地域により人件費や家賃など諸経費に差があることを考慮し、全国を1級地~7級地・その他に分け、0~20%の範囲で割増されています。
※2割負担の対象者は、本人の合計所得金額が160万円以上(単身で年金収入のみの場合、年収280万円以上)で、同一世帯の65歳以上の方の年金収入+そのほかの合計所得金額が単身280万円以上、2人以上世帯346万円以上の場合。ただし、申請をすれば高額介護サービス費(一般月額37,200円)を超えた分は払い戻される。
介護保険が使える「在宅(居宅)サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の種類
在宅(居宅)サービス
自宅で受ける介護サービス
<サービスの種類>
- 訪問介護
- 訪問リハビリテーション
- 訪問入浴介護
- 訪問看護
- 通所介護(デイサービス)
- 通所リハビリテーション(デイケア)
- 福祉用具貸与
- 短期入所生活介護(ショートステイ)
- など
「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設で、施設の介護スタッフにより介護サービスを受け、自宅に近い暮らしをする
<施設の種類>
- 介護付有料老人ホーム
- 介護型ケアハウス
- など
「特定施設入居者生活介護」の指定を受けていない施設で、外部の介護スタッフにより介護サービスを受け、自宅に近い暮らしをする
<施設の種類>
- 住宅型有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
- シニア向け分譲マンション
- など
施設サービス
施設に入所して受ける介護サービス
<施設の種類>
- 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
- 介護老人保健施設
- 介護療養型医療施設
地域密着型サービス
住み慣れた地域で生活を継続するための介護サービス
<サービスの種類>
- 認知症対応型デイサービス
- 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
- 小規模多機能型居宅介護
- など
介護保険の支給限度額(在宅(居宅)サービス1ヶ月当たり)(2015年4月時点)
在宅(居宅)サービスを利用する場合は、利用できるサービスの量(支給限度額)が要支援・要介護度別に決められています。自己負担分は1割ですが、2015年8月より、本人の合計所得金額が160万円以上(単身で年金収入のみの場合、年収280万円以上)で、同一世帯の65歳以上の方の年金収入+そのほかの合計所得金額が単身280万円以上、2人以上世帯346万円以上の場合は自己負担が2割になりました。ただし、申請をすれば高額介護サービス費(一般月額37,200円)を超えた分は払い戻されます。
支給限度額 | 自己負担分(1割) | 自己負担分(2割) | |
---|---|---|---|
要支援1 | 50,030円 | 5,003円 | 10,006円 |
要支援2 | 104,730円 | 10,473円 | 20,946円 |
要介護1 | 166,920円 | 16,692円 | 33,384円 |
要介護2 | 196,160円 | 19,616円 | 39,232円 |
要介護3 | 269,310円 | 26,931円 | 53,862円 |
要介護4 | 308,060円 | 30,806円 | 61,612円 |
要介護5 | 360,650円 | 36,065円 | 72,130円 |
※介護サービスの料金は、サービスごとに「単位数」が決められ、この単位数は全国一律。 1単位の単価は10円を基準とし、地域によって0%~20%の範囲で割増が行われる。 上記の支給限度額は標準的な地域の例(1単位10円)。大都市などの場合、上記よりも高くなる。