ほぼ寝たきり状態だった母。ホームの生活で起き上がって歩けるようになりとても元気になりました

公務員として働き、一人息子のＳ様を育てあげたお母様。老人ホームでの暮らしが必要になったのは、心不全での入院がきっかけでした。

母は、今でいえばバリバリのキャリアウーマンです。高等小学校を出てすぐに働き始め、その後市役所の事務員の職に就き、公務員として定年まで勤め上げました。元来の働きもの気質なのでしょう。定年退職後も書道の先生をするなどして、高齢になるまで働いていました。
母が脳梗塞で倒れたのは87歳のとき、私が会社を定年退職した半年後のことです。要介護３に認定され、訪問介護を受けながら妻と２人で約６年間、自宅で介護をしました。
そして昨年、91歳になった母が心不全で入院しました。心不全は病院の治療を受けて事なきを得ましたが、母はこの入院中に衰弱してしまい、活動としてはリハビリの歩行訓練のみでした。

退院しても、以前のように自宅での介護が難しくなりました。そのうえ病院から、入院期間は２ヶ月間までと言われ、入院中からお母様が入居する老人ホーム探しを始めます。

住まいのある横浜を中心に、７ヶ所の老人ホームを見て回りました。ここ『グラニー栄・横浜』は確か６ヶ所目で、飛び込みで見学させてもらいました。それにもかかわらず、スタッフの方たちの対応がとてもよかったのです。ホーム内の雰囲気が明るく、それまでに私が見学したどこよりも好印象でした。
１週間後にもう一度見学をさせてもらって、入居を決心しましたが、その時点では残念ながら満室でした。部屋が空くまで、短期入所できる老人ホームも探さなくてはいけなくなったのです。あのときは焦りました。
ところが、それから数週間後、『グラニー栄・横浜』から部屋が空いたという知らせがあり、当初の予定通り、病院を５月に退院した母はその足でホームに入居することができたのです。

お母様は入院中に安静状態が続いたことで筋肉が衰え、寝たきりの状態でのご入居でした。しかし驚いたことに、入居後３～４ヶ月でホームの生活を楽しめるほど回復しました。

母は日中でも目を開けられないくらい衰弱していましたが、ホームに入居してからは日ごとに元気を取り戻していきました。スタッフの皆さんの熱心な言葉がけで目が開くようになり、理学療法士さんの歩行リハビリのおかげで筋肉がついて起き上がれるようになりました。入居して３～４ヶ月たつころには、寝たきりだった母が歩行器や杖を使って歩けるまでに回復したのです。
トイレの自立も順調に進みました。オムツをしていたのがリハビリパンツに変わり、今では、普通のパンツをはいて自分でトイレに行けるようになったのです。このホームは部屋にトイレがついていませんが、トイレに行くたびに歩く練習ができて、母にはむしろよかったのかもしれません。
気持ちの面への配慮もしてもらったので、入居してから母が不安がるようなこともありませんでした。例えば、食堂では優しくお話しができる入居者の方の隣りに母を座らせてくれました。おかげでホームの行事にも、入居者のみなさんに混じって参加できるようになりました。最近では本人の意思表示がはっきりし、どんなに誘われても、自分が嫌いな行事には参加しない姿勢を貫いているみたいです。
またホームで１～２ヶ月ごとに行われる、プロの料理人が来て料理を作ってくれる移動レストランや美容師さんが来て髪をカットしてくれる移動美容院を、母はとても楽しみにしています。私は当初、こうしたイベント的なことは別料金だと勘違いしていましたが、あとから月々の料金に含まれていることがわかって驚きました。

現在、お母様が大切にされている日課の１つが、感謝の言葉や絵を和紙で作った手帳に書きとめること。手帳の数は５冊になりました。

ホームは、自宅から自転車で10分程度と近いので、出来る限り、母を訪ねるようにしています。そのときに必ず母の書いた手帳を見せてもらいますが、愚痴はゼロで、どのページも「ありがとう」や「感謝しています」などの感謝の言葉で埋めつくされているのです。その時々の自分の気持ちを詠んだ俳句や絵も描かれていて、母のまだまだ達者な部分もこの手帳が教えてくれます。
何より、この手帳を見ると、日頃、ホームのスタッフの方たちから母がいかに大事にしてもらっているか、そのことを本人がどれだけうれしく思っているかがよくわかります。だから私もホームに行くたび、スタッフの方たちには繰り返し感謝の言葉が出てしまうわけです。
ホームは最寄りの駅から近いので、親戚やお友達もたびたび母の部屋を訪ねてくれます。スタッフの方たちが来訪者にも笑顔で対応してくれるので評判がとても良く、叔母などは来るたびに「私もこんな老人ホームに入りたい」と言っています。母には、これからますます元気で楽しく過ごしてもらいたいと思っています。