体験談
vol
42

老々介護が困難になり認知症の妻と一緒にホームに入居。外出や読書など一人で過ごせる時間ができました。

2017年12月18日
  • ご入居時期
    2017年6月
  • ご入居者様
    90歳男性 90歳女性 ご夫婦
お話を
伺った方
K様 90歳(ご主人)
ホーム名
メディカルホームまどか町田

長期入院されているご長女のお世話のため、ご夫婦で10年ほど前に群馬から東京にお引っ越しされたK様。徐々に奥様の認知症が進み、K様も圧迫骨折の痛みがひどくなり老々介護が困難に。ケアマネジャーに相談し、ホーム入居をすすめられました。

私たち夫婦はずっと群馬県に住んでいました。東京に嫁いだ娘が10数年前に重い病気にかかり、長期入院することになりました。娘の夫は、それ以前に交通事故で亡くなっていたので、私たち夫婦が群馬と東京を行ったり来たりして看病をしていましたが、夫婦共に80歳を過ぎた頃からこうした二重生活が負担になったため、群馬の自宅を処分して、東京の娘の家へ引っ越してきました。娘は退院のめども立たず、現在も入院中です。
娘には息子がいますが、4年前に遠方にある高校を卒業して寮から自宅に戻ってきました。こうして三人暮らしになったのですが、妻が認知症になってしまったのです。私も背骨を圧迫骨折した上に、2度も転倒してしまい、重い腰痛を抱える身体になりました。
しっかりものだった妻は認知症の進行とともに、私に頼りきりでわがままも言うようになりました。私自身ももの忘れがあったり、長い歩行がつらくなったりで、買い物もごはんの支度もできなくなりました。ヘルパーさんもお願いしていたのですが、あるとき銀行でおろした10万円を妻が紛失したことをきっかけに、もう老々介護は限界とケアマネジャーさんに相談したところ、ホームへの入居をすすめられました。

ホーム探しを自力でできないK様ご夫婦のために、まずは保佐人が家庭裁判所で選出されました。保佐人のご協力のもとご夫婦でご入居できた「メディカルホームまどか町田」では、「スタッフの方たちが夫婦喧嘩の仲裁もしてくれて助かる」とK様は楽しそうにお話してくださいました。

私はケアマネジャーさんにホームへの入居を強く希望すると伝えましたが、自力ではホーム探しができません。ケアマネジャーさんは、親切にいろいろ動いてくださり、結局保佐人をつけることになりました。保佐人とは家庭裁判所で選任された私たちの保護者のような存在で、お金の管理をはじめ、私が依頼すれば法律行為の代理までしてくれます。保佐人の方は老人ホーム探しも一生懸命してくれました。しかし、夫婦一緒の入居、妻の認知症がかなり進行しているなどに加え、経済的に不安がないという条件に合うところがなかなか見つかりませんでした。ようやく見つかったのが「メディカルホームまどか町田」でした。幸いにも住んでいた娘の家から車で5分の距離でした。
保佐人の方と私たち夫婦で見学にきたとき、私の体調が悪くなったのですがホーム長さんがすぐに介護タクシーを手配し、病院に連絡をしてくれました。結局、身体に異常はなかったのですが、ホーム長さんの親切で機敏な対応でこちらのホームへの入居を決めました。
入居当初は実際にどんな人たちが、私たち夫婦を世話してくれるのか不安でしたが、スタッフの方たち全員が私に対して親しみをこめて「S夫さん」と名前で呼んでくれて、一気に不安が解消しました。認知症になって気難しくなった妻と、ときには激しい口げんかをするのですが、スタッフの方たちが上手に間に入ってくださるので助かります。妻も優しくなだめられ、機嫌がなおり笑顔を浮かべます。

入居して5ヶ月経った現在、奥様のお世話をスタッフに頼んで、一人で図書館や書店に出かけられるようになったK様。帰宅後は、ホームのカフェでコーヒーを飲みながら本を読む「至福のひと時」を過ごされているそうです。

私と妻の部屋は隣り合わせで、食事のたびにダイニングに連れて行きます。夜寝る前の時間や夜中など、一人で部屋にいるのが不安なのか「お父さん背中さすって」とか「外に行きたい」と、私を起こしにきます。スタッフの方たちは、私が疲れていることを知っているので、妻に「私と一緒にいきましょう」と誘ってくれます。入居当初は、「なんでお父さんがついてこないの」と怒っていましたが、最近はスタッフの方たちと顔馴染みになったおかげで、怒る回数が減ってきて助かっています。
自宅にいるときは1日中妻につきっきりでしたが、ホームに入居してから自分の時間を持てるようになりました。一人で外出もできるので、図書館に本を借りに行ったり、書店で本を購入したりできます。私の趣味は読書なので、ホームにあるカフェでコーヒーを飲みながら本を読む時間が至福のひと時です。ホームに入居して老々介護の負担が軽くなり本当によかったです。
私の現役時代は仕事や夜の付き合いばかりで、育児も家事も妻に任せきりでした。聡明で人付き合いの上手な妻にしっかりサポートしてもらいながら人生を送ってきたのです。残された時間は、妻にできる限りのお世話をしてお返ししたいと思っています。

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