引きこもりがちだった認知症の両親が穏やかに暮らし、行動的になりました
Kさんご夫婦と義両親は、同じ市内で別居生活をしていました。義両親は、2人で助け合い穏やかに暮らしていましたが、4~5年前から相次いで認知症の症状が出てきたのです。
「夫は転勤族だったので、義両親とはずっと別居でしたが、ここ数年は、義両親の家の近くに落ち着き、スープの冷めない距離で暮らしていました。義父は、結婚後家計や資産管理から家事まで引き受け、義母はそんな義父を頼りにしていました。マメな夫とのんびり屋の妻という関係で、仲むつまじい老夫婦の暮らしで私たちも安心していました。
ところが、数年前から整理整頓されていた義両親の家がびっくりするほど散らかり始めました。その頃から義父は家事がまったく出来なくなり、昼夜を問わずわが家に電話をしてくるようになったのです。認知症を疑い、病院で検査をしたところ、当初はうつ病と診断されました。しばらく通院したのですが、夜中の徘徊も始まるなど症状が改善されない状態が続きました。
義母は、そんな義父を支えようと一生懸命家事をしていたのですが、同じものを買ってきたり、食事をしたことを忘れるようになったりして、とうとう夫婦ともに認知症と診断されたのです」
Kさんはご実家のご両親の介護も一手に引き受けダブル介護状態でした。ご夫婦で相談して、義両親が安心して暮らせるホームを探し始めました。
「ホームの入居については、義父はすでに自分で判断できなかったのですが、義母は『二人で生活できているから大丈夫』の一点張り。涙ながらに家を離れることを嫌がりました。
私は、実家の両親も老人ホームの入居を考えていたので、わが家から近いホームを多数見学しました。ところがどのホームも『ご本人と一緒に見学をして、納得されてからの入居』という方針で、認知症の受け入れには慎重な態度でハードルが高いなと感じました。
そんなとき、自宅近くに“まどか川口芝”がオープンすると知りました。早速訪れて、義母が入居を渋って見学にも連れてこれないことを相談しました。すると、認知症への理解が深いホームだったので、親身に話を聞いてくださり家族だけで見学をさせていただくことになりました。改めて夫と見学に行き、アットホームな雰囲気に惹かれました。なによりオープンしたばかりなので、『他の入居者さんたちともなじみやすいだろう』と夫が入居を決意しました」
1週間の体験入居のため、義両親をホームに連れていったKさんご夫婦。義母の反応に気をもみましたが、スタッフの誘導で無事に過ごせ、そのまま入居へ。
「夫主導で決めたので、体験入居は心配でした。案の定初日には義父が『疲れたから帰る』と言い出して困ったのですが、スタッフの方が上手に夕飯の声掛けをしてくださって、カラオケまで楽しんで落ち着いたので安心しました。その後、夫婦別々の個室で寝ることになったとき、義母が『一緒の部屋で寝る』と言いだしたのですが、またスタッフの方が機転をきかせて一つの部屋にベッドを並べてくれました。おかげで無事に2日目の朝を迎えることができました。
その後2~3日は、『お財布がない』「家の鍵がない』と義母は不安を訴え、そのたびにスタッフの方の上手な対応で安心できたようです。そして、午前中は体操をしたり、午後は散歩をしたりしてホームの生活になじんでいったので、体験入居後は自宅に戻らずそのまま入居したのです。
そのうちに、自宅にいるときは、美容院に連れて行くのさえ『人に話しかけられるからいや』と億劫がっていた義母が、フラワーアレンジメントや書道のサークル活動に楽しそうに参加し始めました。やはり認知症ケアにすぐれたスタッフが揃っているおかげだと思います」
ホームでは、「役割のある生活」で誰かの役に立ちたいという思いをサポート。ご夫婦ともに穏やかで充実した生活を送っています。
「ホームでの生活はとても穏やかで順調です。自宅にいるときは、夫婦で家に引きこもり散歩すらしなくなっていました。ホームでは、自由に過ごしながらも、入居者ができる範囲で役割を持って生活しています。義母は、料理班に所属して、下ごしらえや洗いものをお手伝いしています。スタッフの方によると『もっと料理の勉強をしたいわ』というほど前向きに取り組んでいるとか。かたくなに入居を拒否していたのが信じられないぐらいの変化です。
義父は、寝ていることが多いのですが、体操班に所属。毎日体操の時間10分前に、シャキッとして各部屋に声がけをして回っているそうです。こうした役割を決めてもらったり、楽しみを誘導してもらえれば、行動的になるのだと驚きました。ホームのスタッフの方たちとの相性も良かったのだと思いますが、皆さんに感謝しています」
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