体験談
vol
33

老々介護3年を経てホームに入居。リハビリで寝たきり生活から介助があれば歩けるようになりました。

2017年06月27日
  • ご入居時期
    2016年9月
  • ご入居者様
    84歳 女性
お話を
伺った方
K様84歳(ご主人様) ご本人様
ホーム名
グランダ小岩

奥様が80歳になった頃から好きだった趣味を一切やらなくなり、料理の味付けも変わってしまい、病院を受診。脳に水がたまり、運動機能の低下が著しい認知症と診断されてから、ご主人様による老々介護が始まりました。

私たちは教員で、私が中学校、妻は小学校に勤務していました。共稼ぎをしながら長男、長女、次男と3人の子どもを育てたので、家事はすべて半々でした。妻は60歳で定年退職、私は65歳まで働きました。
退職してからは、同じマンションに住むやはり共稼ぎをする次男夫婦の子育てを手伝っていました。孫が成長してからは、四国八十八ヶ所霊場遍路に毎年行き、5年ほどかけてすべて巡りました。また、きょうだい家族と国内旅行に頻繁に出かけ、外国で仕事をする長男の転勤のたびに、海外を何ヶ国も夫婦で訪ねました。70歳のときには長男夫婦からウィーン10日間の旅に招待され、音楽会や美術館を回るなど、私たち夫婦はセカンドライフを十分楽しませてもらったので、75歳を過ぎてからはゆっくり過ごすことにしました。私は登山をして高山植物の撮影、妻は木目込み人形作りや鎌倉彫、水彩画など多彩な趣味を持ち、夫婦で穏やかに暮らしていました。
ところが80歳を迎えた頃から、妻は一切趣味をしなくなりました。料理上手だったのに、味付けがおかしくなったのをきっかけに病院を受診しました。運動機能の低下が著しい認知症と診断され、脳内にたまった水を抜く手術をしましたが改善しません。会話は普通にできるのですが、手足がどんどん動かせなくなり老々介護が始まりました。年々介護度は3から4、5と進み週2回デイサービスで入浴させ、週2回ヘルパーさんにきてもらっていました。食事はすべて私が作って食べさせていました。

老々介護が3年続いた後、ご長男のご自宅近くの「グランダ小岩」にご入居。ご主人様は定期券を購入し、週4~5回訪問されています。

老々介護が始まって早い段階からホーム入居は考えていましたが、妻は家にいたいと希望していました。3年間がんばりましたが、妻は介助しても立ち上がれなくなり、私だけでは介護が困難に。ホームを探そうと長男に相談したところ、いろいろ調べてくれて経営母体がしっかりしているベネッセのホームがいいと判断して、3ヶ所見学に行きました。いずれのホームもスタッフの方たちの対応もよく、雰囲気も明るかったのですが自宅近くのホームはあいにく満室で、長男の自宅に近い「グランダ小岩」に決めました。
日当たりのいい一番広い部屋が空いていたので、自宅の雰囲気にして妻を安心させたいと考え、妻が愛用していたライティングデスクやタンスを持ちこみ、観葉植物や妻の作品を飾りました。ベッドスペースが間仕切れるよう、長男夫婦が取り外しできるポールを立ててレースのカーテンをつけてくれました。部屋に生き物がいるといいと考え、金魚を飼っています。
私は定期券を購入して、週に4~5日おやつの時間に来て、夕食の時間まで一緒に部屋でおしゃべりをしたり脳トレをしたりして過ごしています。観葉植物や金魚の世話は私の仕事です。
入居当初は、「家に帰りたい」と言うこともありましたが、「僕はもう世話をできないし、ここにはたくさんお世話をしてくれる人がいるからここに泊まるんだよ」というと納得してくれました。今では「やさしい人たちに囲まれて居心地がいい」と言っています。

入居6ヶ月で寝たきりの生活から、週2回のマッサージとリハビリで立ち上がるどころか5~6歩歩けるようになりました。お習字やお花のアクティビティも楽しまれています。

住まい環境やスタッフの方たちの対応など「グランダ小岩」に入居してよかったことはたくさんありますが、リハビリ効果には驚きました。自宅では介助しても立ち上がることもできず終日ベッドでの生活だったのですが、週2回のマッサージと日常的な動きもリハビリとして捉えてサポートしてくださったおかげで、入居6ヶ月で介助があれば、5~6歩歩けるようにまでなったのです。私が在宅介護していたら、立ち上がることもできなかったでしょう。 
部屋のトイレにも立って移動するようにスタッフの方たちがお手伝いしてくださいます。その際は、楽しそうにおしゃべりしながらなので、妻も「全然つらくない」と言っています。
私が来られない時間は、部屋ではなくリビングで過ごしています。妻は物静かな性格なので、お仲間と積極的におしゃべりするわけではないですが、人の気配や会話を広げてくれるスタッフの方たちの働きかけが刺激になっていると思います。そのおかげで最近は習字やお花のアクティビティも楽しめるようになり、作品は部屋に飾っています。
月に1回は私たち夫婦が大好きなクラシック音楽を聴きに、次男の運転でホーム近くにあるコンサートホールに行っています。私もゆくゆくはこちらのホームに入居したいと思うほど、「グランダ小岩」の暮らしに満足しています。

日がたっぷり差し込み居心地のよいインテリアのお部屋でご夫妻にお話をうかがいました。奥様に「とてもおやさしいご主人様ですね」と声をかけたところ

「まだまだこれからの変身ぶりをみていないとね」と茶目っ気たっぷりにお答えになり、ご主人様と大笑いされていました。

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