老人ホームの介護・医療体制について理解しよう

公開日:2021年12月22日
老人ホームの介護・医療体制

有料老人ホームではさまざまなサービスが提供されていますが、そのなかでとくに高齢になればなるほど必要度が高まるのが介護サービスと健康管理サービスです。その両方のサービスを提供してくれるのが介護付有料老人ホームです。実際、どのような基準があり、どのような介護体制や医療体制がとられているのでしょうか。住宅型有料老人ホームの体制についても併せてご紹介します。

※記事の内容は2021年3月時点の情報をもとに作成しています。

介護付有料老人ホームのスタッフ体制

介護付有料老人ホームでは、さまざまな職種のスタッフがそれぞれの専門性を生かして入居者の介護サービスや健康管理サービスに当たっています。(矢印は連絡を取り合う関係を示した一例です)

住宅型有料老人ホームの場合、介護サービスは外部の事業者への委託となるため、スタッフはホーム長、施設スタッフ(生活支援サービス担当)、栄養士、看護職員など、提供するサービスに応じて構成されます。

人員体制

介護付有料老人ホーム スタッフの仕事内容・配置基準

介護付有料老人ホーム

職種 職員数の基準 必要な資格 主な仕事
介護スタッフ 入居者3人に対して1人以上 無資格でも可能だが、介護福祉士や介護職員初任者研修修了者(旧ホームヘルパー2級)などの有資格が望ましい。 各専門スタッフとの連携を図りながらケアプランに基づいた食事・排泄・入浴の介助、家事援助などを行う。
ケアマネジャー(ケアマネ) 1人以上 介護支援専門員 ・主治医や本人、家族の意見を踏まえ、各専門スタッフと相談して個々の状況に合わせたケアプランを立てる。
・定期的に見直しを図る。
生活相談員 入居者100人に対して1人以上 無資格でも可能だが、社会福祉士などの有資格が望ましい。 入居者や家族の相談に応じ、人間関係も含め、快適な生活が送れるように環境改善を図る。
ホーム長 1人 無資格でも可能だが、介護職場の経験、社会福祉士、介護支援専門員などの有資格が望ましい。 ホーム全般の管理・運営を行う。
栄養士 1人 栄養士または管理栄養士 ・食事メニューの作成、栄養管理を行う。
・ケアマネジャーなどと相談し、嚥下状態に合わせた食事、生活習慣病に対応したメニューなどを、提供する。
機能訓練指導員(リハビリ専門員) 1人以上 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師など ・各専門スタッフと相談しながら、心身機能の維持・向上のため、個別リハビリ(歩行訓練、嚥下機能の向上など)計画を作成して訓練を実施する。
・集団リハビリの実施。
・介護用品の選定。
看護職員 1人(常勤)以上※1 看護師または准看護師 ・日常的な健康管理や服薬管理。
・医師の指示のもと、胃ろうなどの医療的ケア。
・外部の医療機関との窓口。
・緊急時の医療機関などへの連絡。

※1 看護職員は要介護者数によって増員される。入居者30人まで1人。30~80人までは2人など。

協力医療機関

職種 主な仕事
医師 ・看護職員を通した健康管理。
・健康相談、健康診断など。
・家族希望時の医療・治療サービス(医療費は別途必要)。

介護に関わる職業解説

下記では、介護に関わる多職種について、各職業の特徴や役割などを詳しく説明しています。

監修者:川村 匡由(かわむら まさよし)
社会保障学者・武蔵野大学名誉教授・行政書士有資格
川村 匡由
監修者:川村 匡由(かわむら まさよし)
社会保障学者・武蔵野大学名誉教授・行政書士有資格  

博士(早稲田大学)、福祉デザイン研究所所長、武蔵野大学名誉教授。

1994年、つくば国際大学教授に就任後、武蔵野大学大学院教授を歴任。専門は社会保障、高齢者福祉、地域福祉、防災福祉。シニア社会学会・世田谷区社会福祉事業団理事。

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