体験談
vol
12

「もう一度富士山に登りたい」という夢に向けてリハビリ。1人で歩けるようになって楽しみが増えました

2016年05月18日
  • ご入居時期
    2008年12月
  • ご入居者様
    98歳 女性
お話を
伺った方
K様(ご次女)・ご本人様
ホーム名
ボンセジュール花見川

お母様のホーム入居のきっかけは、お父様のご病気でした。人付き合いの上手なお母様だからきっと新しい環境に馴染めると子どもたちの一致した意見でホームを探し始め、K様が以前から雰囲気が気に入っていた自宅近くにあるホームに決めました。

「母は、90歳まで父と2人暮らしをしていました。当時95歳の父が病に倒れて入院し、母も父の看病で腰を悪くして、同じ病院に入院していました。父は退院しても自宅に戻れないので、医療ケアのあるホームに入居し、元気な母には別のホームを探すことにしました。
ホーム選びの条件は、私の家の近くでした。姉は遠方に嫁ぎ、2人の兄は多忙な仕事を持っていたためホームへの頻繁な訪問が難しかったからです。ちょうど、わが家から歩いて10分程度の距離にボンセジュール花見川がありました。以前から散歩途中で眺めて、老人ホームという感じではない、こじんまりとした家のような雰囲気に惹かれていました。私自身いつかこんなホームに入居したいと思っていたほどです。
そこで、兄たちと見学に行きました。思ったとおりアットホームな雰囲気で、スタッフの方たちの対応も丁寧だったので、即決しました。母に伝えると『あなたの家に近くて、みんなが決めてくれたホームならいいよ』ということで、退院後そのまま入居しました。父は残念ながら、3年後に亡くなりました。
母は、70歳を過ぎてからも働き、一人で国内をあちこち旅行するほど元気でした。さすがに90歳になってからは、自宅では横になっていることが多くなっていました。それでも、明るくて人付き合いの上手な性格なのでホームに入居すればお友達もできて楽しく過ごせるだろうというのが、兄たちと私たち夫婦の一致した意見でした。入居して8年たった今、私たちが予想していた以上に母はホームでの暮らしを満喫しています。」

8年前のご入居当時、ボンセジュール花見川ではご入居者様の夢を叶える「かがやきプラン」というプロジェクトがありました。「富士山にもう一度登りたい」というお母さまの夢を支援してリハビリが始まりました。

「母は、四国や九州の札所まわりをしたり、10日間以上もひとり旅したりしていたほどの旅好き。中でも60歳の時、私の夫と登った富士山の思い出が自慢です。スタッフの方たちにも『めったに見られないご来光も拝めたのよ。口ではいえないぐらい感動したの。また登りたいわ』と夢を語っていたそうです。そこで、スタッフの方たちから『富士山にもう一度登ることを目指してリハビリをしましょう』と提案されて、毎日の歩行訓練が始まりました。
入居当時は、体を支えてもらってやっと歩けるぐらいだったのですが、歩行訓練を始めて3ヶ月後には、ホームの中を一人で歩けるようになるまで回復しました。それでも、富士登山は難しく、スタッフの方たちは他の山も検討してくださったのですが、結局母の大好きな銀座を歩くことになりました。
銀座は、母が70歳過ぎまで働いていたお店があり、思い出深い場所。『銀ブラをして、三越で大好きなお寿司を食べたのよ』と、目を輝かせて私に話してくれました。
今でも、私の夫に『富士山に連れて行って』というのですが、夫は、『もう連れて行くこちらが無理だよ』と笑っています。富士山は無理ですが、母は外出が大好きなので、月に一回はお墓参りなどに連れて行きます。100歳近い母がお寺の階段を一人で登っている姿を見て、周りの人たちから驚かれています」

ホームでの暮らしは、「みなさん優しくて親切。とても楽しい」と大満足のご様子。日中は、他の入居者の方たちとおしゃべりをしたり、体操などのアクティビティにも積極的に参加したりして楽しまれているそうです。

入居当時に取り組まれていた「かがやきプラン」プロジェクトは、現在入居者様たちのご希望の多い外食や遠足などホーム全体の企画に移行しました。取材に伺った3月末は恒例のお花見が間もなくという時期で、お母様もお出掛けを楽しみにされていました。

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