住み慣れた地元のホームで暮らし始めて3ヶ月半。すっかり馴染んだ母の様子に安心しています
K様ご夫妻がお母様と同居をされたのは、今から12年前です。同居6~7年後に、それまで活動的に暮らしていたお母様の足腰が弱り始めました。
関西出身だった両親が、父の仕事の関係で神奈川県鎌倉市に家を構えたのは母が40歳の時です。以来、母は鎌倉で子育てと主婦業に専念し、父が他界した後も自宅で一人暮らしを続けました。長男の私は結婚後も東京勤務のときは母と同居していましたが、転勤や海外赴任が多かったため、別々に暮らした年数のほうが圧倒的に多いでしょう。
本格的な同居が始まったのは、母が80歳を過ぎてからです。私たち夫婦との同居が始まったとたん、母は活動的になりました。家事一切を私の妻に任せ、俳句、鎌倉彫り、長唄、歴史散歩など、たくさんの趣味を楽しむようになったのです。あの頃の母はとにかくパワフル、周辺の坂道をものともせずに元気に歩き回っていました。
ところが、90歳頃から母の足腰が弱り始め、あっという間に杖をついて歩くようになりました。要介護2に認定されてからは、車椅子でデイケアに通うようになりました。こうなってからの母はますます妻に頼るようになり、妻の負担は増える一方でした。介護が始まって3年目に入る頃にはとうとう、妻の疲労が限界に達したのです。
奥様のお身体の心配に加えて、ご自宅が山の斜面に建っているため車椅子での出入りがさらに難しくなり、デイケアにも通えなくなりました。こうした事情から、お母様の老人ホームへの入居を考え始めたそうです。
老人ホームに入るためには、入居金の準備が必要です。私たち夫婦は実家の近くに自分たちで購入したマンションを持っていました。妻とも相談して、自分たちはそのマンションに住むことにし、実家を売却して入居金に充てることにしました。
去年の夏に実家の売却が決まり、そこから具体的にホーム探しを始めました。そのときにまず頭に浮かんだのが、妻の父が入居していたベネッセの老人ホームの『鎌倉山荘』のことでした。妻はもちろんのこと、私も義父のホームを何度も訪ねていて、サービスのよさや充実した設備などはこの目で見てよく知っていました。近くに同じ系列の老人ホームを探したところ、最寄りに「グランダ深沢・鎌倉」があることがわかったのです。
見学に行ってみると、「グランダ深沢・鎌倉」は家から車で10分程度、また、かつて私の息子が通った中学校の向かいにホームが建っていることもわかり、親近感がわきました。ホームの設備やお手伝いの内容も義父が入居していたホームと同様に質が高いので、他の老人ホームは見学しないで、即決しました。母も、地元にある老人ホームだからか、ふたつ返事で入居に応じてくれました。結局、本人は見学も体験利用もせずに、ここに移ったのです。
しかし入居直後に、お母様の持病の心臓病が悪化しました。呼吸が苦しくなったため、入居したまま在宅酸素療法を受けることになりましたが、幸い、1ヶ月半ほどで完治されました。
母はもともと、心臓病の持病がありました。今思えば、心臓の具合が悪くなり呼吸が苦しくなったときにここに入居していてよかったです。医療的なケア体制がしっかりしているホームだからです。母が嫌がって酸素のチューブを鼻から外そうとするのをスタッフの方たちが、根気よく見守ってくれるなど、きめ細やかなお手伝いをしてもらえたおかげで、1ヶ月半後には呼吸が落ち着きました。
それ以降の母は、家にいたときよりも活動的になっていきました。家では伝い歩きがやっとでしたが、ホームの廊下を歩けるようになったのです。あのまま自宅で介護をしていたら、母のこうした姿を目にすることもなかったと思います。
もともと社交的な母ですから、元気になってからはホームで歌や頭の体操、お茶を飲みながらのゲームなどを楽しんでいます。食べることも好きなので、おやつや食事の時間を楽しみにしているようです。ちなみに母は、朝昼晩の3食とも、レストランに行くように髪を整え、バッグを持って行くそうです。
今では奥様と交替でホーム訪ねるのが日課になり、休日にはお孫さんやひ孫さんの訪問も多く、お部屋は笑い声がたえないといいます。
私がホームに行くと、2回に1回はお菓子や化粧品を買いに「連れて行って!」と頼まれます。また、私は母に対してつい厳しいことを言ってしまいますが、その分、母の話をじっくり聞いてくれる妻にはいろいろ話すそうです。自分がこの数日間にやったことや食べたものを、事細かく報告しているみたいです。私も妻もホームに行くたびに、母がここでの生活にすっかり馴染んでいるのがわかるので安心できます。私たちの子どもたちや孫たちも休日には訪問して、母を喜ばせています。
先日は私の車で、近所の桜の名所に母を連れて行き、毎年見ていた桜を今年も母に見せることができました。来年も、同じ桜を母と見に行きたいです。住み慣れた場所にこのホームがあったことを、今さらながらうれしく思います。
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