体験談
vol
18

認知症が進んで自分の世界に閉じこもっていた母。ホームの生活で明るさと積極性を取りもどしました。

2016年06月07日
  • ご入居時期
    2015年11月
  • ご入居者様
    88歳 女性
お話を
伺った方
I様 68歳(ご長女)
ホーム名
メディカルホームグランダ金沢文庫

パーキンソン病のご主人を、長年、在宅で支えてきたお母様。認知症を患ってからも、ご自宅で暮らしていましたが、2度目の大腿骨骨折がきっかけで、老人ホームへ入居することになりました。

20年前に父が亡くなってから、母と私はずっと二人暮らしでした。父のパーキンソン病が発病した当時は、病気の研究も進んでいなくて、なかなか正確な診断がつかず、在宅で介護をしていました。パーキンソン病とわかってからも、父は家で過ごしていました。
私は会社勤めをしていたので、父の世話はもっぱら母の役目。母は気持ちのしっかりした人ですが、心臓に持病があります。そんな母が、お身体が大きく、薬の副作用でときおり幻覚も現れるような父の介護をするのは大変だったと思います。
思えばその頃から、母には認知症の症状が現れていましたが、介護のストレスだと思っていました。でも、父が亡くなったあと、次第に「おかしい」と思うことが増え、検査を受けて認知症と診断されました。それでも、日中は一人でいても大丈夫だったのです。ところが、私が退職したころから症状が重くなっていきました。
母は、2012年に室内で転倒して左脚の大腿骨を骨折しましたが、気丈さを発揮してリハビリに取り組みました。そして杖なしで再び歩けるようになってからは、引き続き自宅で暮らしていたのです。ところが2015年に、今度は右脚の大腿骨を骨折。3年前より体力が衰えていることから、手術も簡易的なものしかできず、退院後は車椅子の生活になると言われて、ホームを探し始めたのです。

心臓に持病のあるお母様が安心して過ごせるホームを探して、I様は飛び込みで見学を繰り返しました。

ホームのことは、いざという時のために情報を集めていました。でも、それは新聞や雑誌の切り抜き程度で、実際に足を運んで見学したことはなかったのです。しかし、手術後の入院とリハビリで病院にお世話になれるのは90日まで。その間に母が過ごせるホームを決めなくてはならず、ほぼ飛び込みで3軒ほどを見て回りました。
そのなかでずば抜けてよかったのが、「メディカルホームグランダ金沢文庫」です。玄関を入ってすぐに、雰囲気のよさが伝わってきました。オープンが2014年ということもあって施設も新しくてきれい。なによりスタッフが若々しく、熱意にあふれていました。それに「メディカル」の名の通り、看護職員も24時間体制で配置されているので、何かあったらすぐに対応してくれます。母は心臓に不安がありますから、それも安心材料でした。その上、自宅から車で7分程度とアクセスも便利でしたので、入居を決めました。

一時は慣れない場所での暮らしに荒れることもあったお母様でしたが、スタッフの粘り強い対応で、次第に心を開き、3ヶ月たった頃穏やかな表情を取り戻しました。

ホームに入ったばかりの頃は、認知症の症状も進んでいて要介護5でした。いろいろなことがわからなくなっているのに、自分がいる場所が自宅ではないことはわかったようで、家に帰りたがりましたし、介護を拒否してスタッフの方たちにひどい言葉を投げかけたり、布団をかぶって閉じこもってしまったりと、すごく荒れたのです。
でも、スタッフの方たちが本当によくしてくれて、母も交えて介護プランを改めて考えてくださったり、なにがあっても、嫌な顔ひとつ見せないで、にこやかに応じてくれました。そんな毎日を過ごして3ヶ月ほどたったころから母の表情が穏やかなりました。リハビリにも意欲を見せ始め、今は手を引けば歩行もできるようになり、要介護度も3に下がりました。

現在お母様は、ホーム内のアクティビティにも積極的に参加。春にはご家族とともにイチゴ狩りに行き、楽しい時間を過ごされました。

こちらのホームは、アクティビティが充実しています。ホームの生活にすっかり慣れた母は、音楽や体操など好みのアクティビティに参加して、毎日楽しそうです。私が訪ねると、楽しくおしゃべりをし、洗濯物を片づけるなど身の回りのことにも再び関心を示すようになりました。
3月にホーム外でのイチゴ狩りのアクティビティが行われたときは、「ご家族もどうぞ」と言われ、私も参加させてもらいました。車椅子もOKの車で沼津に向かう道中では、富士山を眺めることもできました。なによりうれしかったのは、久しぶりに母と二人で楽しい時間を過ごせたこと。そのときの晴れやかな母の顔は、月に1回発行されているホームの会報誌に掲載されました。
当初は、荒れている母の様子を見て、大変でも自宅で面倒を見るべきだったと、後悔したこともありました。そんな母が、今、こんなにも穏やかに暮らすことができるのは、なによりも「メディカルホームグランダ金沢文庫」のスタッフの方たちのおかげだと、心より感謝しています。

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