【介護度を知る!】要支援2とは?受けられるサービス内容や認定基準、要支援1・要介護1との違いも解説
「家族が要支援2と認定されたけど、どのような状態なのかわからない」
「要支援2と要介護1の違いは何?」
「要支援2では一人暮らしは可能なの?」
このような疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。
要支援2を簡単にまとめると以下のような状態です。
- 基本的に一人で日常生活ができる
- 身の回りのことや家事に一部手助けが必要
- 立ち上がりや歩行にサポートが必要
ほかにも「どのようなサービスが受けられるの?」「どうやってサービスの利用を開始するの?」と戸惑うこともあるかと思います。
本記事では、要支援2とはどのような状態なのか、どのようなサービスを受けられるのか、などわかりやすく解説します。
要支援2について詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
介護度についての正しい知識を身に付けて、生活に必要なサービスを検討していきましょう。
要支援2とはどのような状態?
厚生労働省による「要支援」の定義は以下の通りです。
身体上若しくは精神上の障害があるために入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部若しくは一部について厚生労働省令で定める期間にわたり継続して常時介護を要する状態の軽減若しくは悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれ、又は身体上若しくは精神上の障害があるために厚生労働省令で定める期間にわたり継続して日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態
厚生労働省|要介護認定に係る法令
とされています。
簡単にまとめると「日常生活の基本的なことは自分で対応できるが、部分的な生活支援が必要な状態」ということです。
そのなかで「要支援2」とは、基本的に一人で生活はできるが、要支援1と比べると支援が必要な範囲が広い状態です。
適切なサポートがあれば、要介護状態になることを防げる場合もあります。
そもそも要支援・要介護とはなにかというと、日常生活の中でどの程度の介護(介助)を必要とするのか、介護の度合いをあらわす指標です。
要介護度の判定は、厚生労働省が基準を定める「要介護認定基準時間(介護にかかる時間)」を基本に7段階で区分しています。
- 要支援1~2
- 要介護1~5
さらに「自立」を合わせ、合計8段階に分けられます。
要支援2の前後の段階である「要支援1」「要介護1」と合わせて比較してみました。
要介護度 | 一人でできること | 一人ではできないこと | 介護をするために必要な時間 | |
---|---|---|---|---|
要支援1 | 基本的な日常生活(食事・排泄・入浴など)は一人でできる | 家事や掃除にサポートが必要 | 25分以上32分未満 | |
要支援2 | 基本的な日常生活(食事・排泄・入浴など)は一人でできる | 家事や掃除だけでなく、立ち上がりや歩行にもサポートが必要 | 32分以上50分未満 | |
要介護1 | 基本的な日常生活(食事・排泄・入浴など)は一人でできる。 | 排泄や入浴は見守り、サポートが必要 | 32分以上50分未満 |
要支援と要介護の違いについては、下記の記事にて詳しくまとめていますので参考にしてください。
要支援2とはどのような状態?
要支援の状態は、「要支援1」と「要支援2」にそれぞれ分けられます。
要支援1と要支援2の違いは以下の表を参考にしてください。
要介護度 | 要介護認定の目安 | 状態の目安となる具体例 | |
---|---|---|---|
要支援1 |
|
日常生活は基本的に自分だけで行えるが、掃除や身の回りのことの一部において、見守りや手助けが必要。 | |
要支援2 |
|
立ち上がりや歩行などでふらつく、入浴で背中が洗えない、身だしなみを自分だけでは整えられないなど支援を必要とする場面が多い。 |
要支援1と要支援2はいずれも、食事や排泄などの行為を自分で行えます。
要支援1と要支援2の違いは、要支援2のほうが身体機能の低下がみられる点です。
そのため、必要なサポートの度合いが異なります。
なお、要介護認定が決まると、1ヶ月当たりの介護保険サービスの利用限度額(支給限度額)が決まります。
これは現金で支給されるのではなく、介護保険サービスを受ける際に利用料から差し引かれる仕組みです。
要支援1と要支援2は、どちらも「要支援認定」であるため、受けられる介護サービスに大きな差はありません。
しかし介護支給限度額が異なるため、要支援2のほうが受けられるサービスの範囲は広いです。
要支援1の詳細については、「要支援1とは?受けられるサービス内容や支給限度額・要支援2との違いもわかりやすく解説」にてまとめています。
要支援2と要介護1の違い
要介護度 | 要介護認定の目安 | 状態の目安となる具体例 | |
---|---|---|---|
要支援2 |
|
立ち上がりや歩行などでふらつく、入浴で背中が洗えない、身だしなみを自分だけでは整えられないなど支援を必要とする場面が多い。 | |
要介護1 |
|
排泄や入浴時に見守りや介助が必要。 |
要支援2と要介護1は、以下2つの観点で区分しています。
- 1. 認知機能の状態
- 2. 状態の安定性
要支援2と要介護1の境界線を判別する1つ目の観点は「認知機能の状態」です。
要支援2では認知機能の低下は見られず、適切なサポートを受ければ要介護状態への進行を予防できる、と考えられています。
一方で、軽度の認知機能低下が見られ、要支援状態への回復は難しいと判断される場合には、要介護1の認定を受ける可能性があります。
要支援2と要介護1の境界線を判別する2つ目の観点は「状態の安定性」です。
厚生労働省が定めた6ヶ月の認定有効期間内に、状態が変化する可能性で判断します。
ここでいう状態というのは病状などではなく、必要とする介護(介助)の量の変化についてです。
“介護がより必要になる”と予見できる場合は、認知機能の低下がなくても介護度が引き上げられる可能性があります。
上記はあくまでも目安のため、最終的な判断は認定調査員が総合的に状況を見て判断します。
どのような場合に要支援2認定されるの?
要介護度を判定する基準として 「要介護認定等基準時間」 があり、要介護者を介護するために必要な時間を要介護度別で定められています。
区分 | 要介護認定等基準時間 (介護をするために必要な時間) |
|
---|---|---|
要支援1 | 25分以上32分未満 | |
要支援2 | 32分以上50分未満 | |
要介護1 | 32分以上50分未満 | |
要介護2 | 50分以上70分未満 | |
要介護3 | 70分以上90分未満 | |
要介護4 | 90分以上110分未満 | |
要介護5 | 110分以上 |
要支援2と要介護1の要介護認定等基準時間は同じですが、先述したように「認知機能の状態」と「状態の安定性」を考慮して判定されます。
たとえば認知症がある場合や、心筋梗塞や脳梗塞など状態が不安定な病気を発症した場合は、要介護1と判定されやすくなります。
しかし、実際に必要な介護時間を正確に測定することは難しいです。
そのため、要介護認定等基準時間を算出するために、要介護認定の「一次判定」をおこないます。
一次判定は、市区町村の認定調査員による心身の状況調査(認定調査)と主治医の意見書をもとに、コンピュータで判定されます。
なお、介護認定を正しく認定されるためには、認定調査当日は家族同伴が望ましいです。
一人で調査を受けてしまうと、どうしても気丈に振る舞ってしまい、本来の日常生活動作がわかりにくいケースもあります。
家族の方からも普段の生活の様子をしっかりと伝えながら、認定調査員に正しく調査してもらいましょう。
要介護認定の申請方法に関しては、【介護の基礎知識】介護保険とは何か?仕組みやサービスの種類などを簡単にわかりやすく解説 にて詳しくまとめています。
要支援2で利用できるサービスは?
要支援2では「介護予防サービス」が利用できます。
利用できるサービスを下記の一覧表にまとめました。
訪問型 | 介護予防訪問介護 |
---|---|
介護予防訪問看護 | |
介護予防訪問入浴 | |
介護予防訪問リハビリテーション | |
介護予防居宅療養管理指導 | |
通所型 | 介護予防通所介護(デイサービス) |
介護予防通所リハビリテーション(デイケア) | |
短期入所型 | 介護予防短期入所生活介護(ショートステイ) |
介護予防短期入所療養介護(医療型ショートステイ) | |
福祉用具 | 介護予防福祉用具の貸与費の支給 |
介護予防福祉用具の購入費の支給 | |
住宅改修 | 介護予防住宅改修費の支給 |
地域密着型 | 介護予防小規模多機能型居宅介護 |
介護予防認知症対応型通所介護 | |
介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | |
その他 | 介護予防特定施設入居者生活介護 |
各サービスについて詳しく説明していきます。
自宅で利用するサービス
自宅で利用できるサービスを「訪問型サービス」と呼びます。
看護職員や介護職員など有資格者が自宅に訪問し、サービスを提供する形態です。
要支援2で利用できる訪問型サービスを以下にまとめました。
介護予防訪問介護
介護予防訪問介護 (ホームヘルプサービス) |
介護予防を目的としてホームヘルパーが自宅を訪問します。食事や排泄、入浴の世話などの身体介護や、掃除・洗濯などの生活援助を受けられます。 |
---|---|
介護予防訪問看護 | かかりつけ医の指示のもと、看護師や保健師が自宅を訪問します。介護予防を目的として療養上の世話や診療の補助を受けられます。 |
介護予防訪問入浴 | 浴槽を積んだ入浴車が自宅を訪問します。介護予防を目的として入浴を受けられます。 |
介護予防訪問リハビリテーション | かかりつけ医の指示のもと、理学療法士などが訪問します。介護予防を目的として機能回復のための訓練を受けられます。 |
介護予防居宅療養管理指導 | 医師、歯科医師、薬剤師などが自宅を訪問します。介護予防を目的として療養上の管理・指導を受けられます。 |
これまで要支援者の方の訪問介護は、国が定めた全国一律の基準でサービスが提供されていました。
しかし、平成29年4月から介護予防・日常生活支援総合事業(以下「総合事業」と略)が始まり、介護予防訪問介護も総合事業へ移行しています。
今までと同じサービスを提供しながら、多様な生活支援のニーズに地域全体で応えていくような形となっています。
施設に通って利用するサービス
施設に通って利用できるサービスを「通所型サービス」と呼びます。
利用者が可能な限り自立した日常生活を送れるよう、他者との関わりや心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的として実施しています。
介護予防通所介護
介護予防通所介護 (デイサービス) |
介護予防を目的として日帰りでデイサービスセンターなどに通います。入浴や食事の提供、機能訓練などを受けられます。 |
---|---|
介護予防通所リハビリテーション (デイケア) |
医療機関や介護老人保健施設などに通い、介護予防を目的として機能回復訓練を受けられます。 |
自宅で利用できるサービスにて説明したように、介護予防通所介護も総合事業へ移行しています。費用はそれぞれ市町村で異なるため、各自治体で確認しましょう。
デイサービス・デイケアの概要や費用、1日の流れについては下記の記事にて詳しく説明しています。
宿泊して利用できるサービス
宿泊して利用できるサービスを「短期入所型サービス」と呼びます。
利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送れるよう、孤立感の解消や心身機能の維持回復が目的です。
また、家族の介護負担軽減や、介護者が不在の時の安全確保として利用するケースもあります。
介護予防短期入所生活介護
介護予防短期入所生活介護 (ショートステイ) |
一時的に自宅でのサービス利用ができない場合に、介護予防を目的として短期間施設に入所します。入浴や排泄、食事などの介護や、機能訓練などを受けられます。 |
---|---|
介護予防短期入所療養介護 (医療型ショートステイ) |
一時的に自宅でのサービス利用ができない場合に、短期間、介護老人保健施設などに入所します。介護予防を目的として看護や機能訓練などを受けられます。 |
どちらも連続で利用できる日数は、最長30日まで利用可能※です。
※参照:厚生労働省「どんなサービスがあるの? - 短期入所療養介護」
生活環境を整えるサービス
日常生活においてよりよい生活が送れるように、以下の生活環境を整えるサービスも利用できます。
介護予防福祉用具の貸与費の支給
介護予防福祉用具の貸与費の支給 | 介護予防を目的として福祉用具を借りる費用を支給します。下記の福祉用具は原則的に保険給付の対象外となります。
|
---|---|
介護予防福祉用具の購入費の支給 | 排泄や入浴などレンタルができない福祉用具の購入費用を支給します。購入する際は、指定事業所での購入が対象となります。 |
介護予防住宅改修費の支給 | 介護予防を目的として自宅への手すり、段差解消など、住宅改修に対して限度額内(20万円・原則1回限り)を支給します。住宅改修の前に市町村へ事前申請が必要です。 |
福祉用具の貸与・購入費の支給(利用限度額)は1年につき10万円までと決まっています。
要支援1の場合、貸与の対象となる福祉用具は以下のとおりです。
- 手すり(設置工事を伴わないもの)
- スロープ(設置工事を伴わないもの)
- 歩行器、歩行補助つえ
利用限度額を超えた費用は自己負担となるため注意が必要です。
要支援1の場合は転倒を予防するためにも、福祉用具や住宅改修を活用していきましょう。
施設などに入居して利用できるサービス
施設(有料老人ホームや軽費老人ホームなど)に入所して利用できるサービスは以下が挙げられます。
介護予防特定施設入居者生活介護 | 介護予防を目的として有料老人ホームなどに入居している方が、食事や入浴などの介護や機能訓練を受けられます。 |
---|
介護予防特定施設入居者生活介護の対象となる施設は以下のとおりです。
- 有料老人ホーム
- 軽費老人ホーム(ケアハウス)
- 養護老人ホーム
(※サービス付き高齢者向け住宅については、有料老人ホームに該当するものとする)
サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住と略)は「一般型」と「介護型」に分かれています。
介護型は、サ高住の中でも「特定施設入居者生活介護」の指定を受けたところを指します。
食事や入浴の介助のほか、介護・看護サービスなど有料老人ホームと同等のサービスが利用可能です。
介護予防特定施設入居者生活介護の受給者数は、年々増加しています。
高齢化が進む日本において、ますます需要は増えていくでしょう。
介護予防特定施設入居者生活介護を利用できる有料老人ホームの概要、入居条件や費用に関しては、下記の記事にまとめています。
地域密着型のサービス
地域密着型サービスとは「住み慣れた地域で、できる限り自分らしい暮らしが継続できるように提供される包括的なケアシステム・サービス」のことです。
市町村によって指定した事業者から地域密着型サービスが提供されます。
要支援2が利用できる地域密着型サービスは以下のとおりです。
介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 介護予防を目的として、認知症の利用者を対象とした専門的なケアを提供するサービスです。日常生活の支援や機能訓練を受けられます。 |
---|---|
介護予防小規模多機能型居宅介護 | 通いを中心に、利用者の選択に応じて訪問型サービスや短期間の宿泊サービスを組み合わせて、日常生活の支援や機能訓練を受けられます。 |
介護予防認知症対応型通所介護 | 認知症の高齢者がデイサービスやグループホームなどに通い、日常生活の支援やリハビリテーションを受けられます。 |
地域密着型サービスは地域に密着した小規模の運営であるため、スタッフや利用者との交流もしやすい環境です。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)では、ひとつの共同生活住居に5〜9人の少人数の利用者が、介護スタッフとともに共同生活を送ります。※
入居条件やサービス内容については、「グループホームとは?特徴や入居条件をカンタン解説」にてまとめていますのでお役立てください。
また、介護予防小規模多機能型居宅介護では、ひとつの事業所で「介護スタッフの訪問」「高齢者の施設通い」「高齢者の施設宿泊」の3つのサービスを提供します。
受けられるサービス内容や対象者については、「【表比較でわかる!】小規模多機能型居宅介護とは?料金や対象者、利用方法を解説」を参考にしてください。
※参照:厚生労働省「どんなサービスがあるの? - 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」
介護予防サービスを利用するまでの介護の流れ
実際に介護予防サービスを利用するためには、以下のような流れになります。
- 1.要介護認定の申請
- 2.認定調査
- 3.審査判定
- 4.認定結果の通知
- 5.地域包括支援センターへ連絡
- 6.介護予防サービス計画書の作成
- 7.介護予防サービス利用開始
介護予防サービスの利用開始には介護予防サービス計画書(ケアプラン)が必要です。
ケアプランとは、どのようなサービスをどのくらい利用するかを決める計画のことを言います。
また、要介護認定には有効期限が定められています。
- 新規、変更申請:原則6ヶ月(状態に応じ3~12ヶ月まで設定)
- 更新申請:原則12ヶ月(状態に応じ3~24ヶ月まで設定)
要支援1と認定されてすぐにサービスを利用開始しない場合も、有効期間が過ぎるとサービスが受けられなくなるため注意しましょう。
要支援2における介護サービス自己負担額
要介護度によって、介護保険から給付される1ヶ月あたりの上限額(支給限度額)が決まっています。要支援2の場合は月額105,310円です。
支給限度額内でサービスを利用する場合は、費用の1割(一定以上所得者の場合は2割または3割)を負担します。超過した分のサービス費用は全額自己負担です。
「要支援2で支給限度額内におさめたい場合、サービスの利用頻度はどれくらいかな…」とお悩みの方は、以下のウェブサイトで介護サービスの概算が計算できます。費用の目安としてご活用ください。
要支援2で受けられるケアプラン・費用の例
要支援2で受けられるケアプラン・費用の例を、自宅と施設にそれぞれ分けて見ていきましょう。
自宅の場合
要支援2で自宅にてサービスを受ける場合、サービス内容や自己負担額は以下のようになります。
自宅でサービスを受ける場合の月額費用の一例
サービス内容 | 利用回数 | 費用額 |
---|---|---|
介護予防訪問介護 | 8回 | 2,349円 |
介護予防訪問看護 | 4回 | 18,000円 |
介護予防訪問リハビリテーション | ※ | 46,610円 |
介護予防短期入所生活介護 | 2日間 | 14,640円 |
1ヶ月の介護サービス費用試算額 | 81,599円 | |
自己負担額 | 8,159円 (1割負担の場合) |
※介護予防通所リハビリテーションは月額計算
※参照: 厚生労働省|介護サービス概算料金の試算
費用はあくまでも目安のため、ケアプランを作成する際はどのようなサービスが必要なのかしっかりと話し合って決めましょう。
施設の場合
要支援2で有料老人ホームに入居している場合、サービスを利用すると自己負担は以下のようになります。
有料老人ホームでサービスを受ける場合の月額費用の一例
サービス内容 | 費用額 | |
---|---|---|
介護予防特定施設入居者生活介護 | 108,450円 | |
自己負担額 | 10,845円 (1割負担の場合) |
※参照: 厚生労働省|介護サービス概算料金の試算
介護予防特定施設入居者生活介護サービスの対象施設の場合、生活上の介護サービスを毎月定額で利用できます。
居住費や食費、日用品費などは別途必要です。
サービス対象の施設へ入居したい場合は、各施設へ問い合わせてみましょう。
要支援2でも入居できる施設・費用
自分で身の回りのことができる要支援2とはいえ、本人が一人暮らしを不安に感じたり、家族のサポートが難しかったりする場合もあるかと思います。
このような場合は、要支援2でも入居できる施設で暮らすこともひとつの手です。
要支援2で入居できる施設を以下にまとめています。
施設 | 概要 | 入居金 | 月額利用料 |
---|---|---|---|
介護付有料老人ホーム | 介護スタッフが24時間配置されている施設 | 0円~数億円を超えるものまで幅広い | 15~30万円 |
住宅型有料老人ホーム | 生活支援などのサービスが付帯した施設 | 15~30万円 | |
介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 認知症の診断を受けた高齢者が共同生活する施設 | 0円〜数百万円 | 15〜20万円 |
シニア向け分譲マンション | 高齢者に配慮した設計のマンション | 1,000万円~数億円 | 10~30万円 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 高齢者が暮らしやすいサービスが付帯した住宅 |
|
|
養護老人ホーム | 自宅での生活が困難な65歳以上の高齢者が生活する施設 | 不要 | 0~14万円 |
自立型ケアハウス | 自宅での生活が困難な60歳以上の高齢者が生活する施設 | 0~30万円 | 7~13万円 |
入居金(入居時に必要な費用)、月額で支払う費用はあくまでも目安のため、詳細は各施設に問い合わせが必要です。
介護サービス費は1割負担(所得に応じて2~3割負担の場合もあり)ですが、日用品費や医療費は含まれないため自己負担となっています。
また、要支援2では公的施設である介護老人保健施設や特別養護老人ホームには入居できません。
要支援で施設へ入居したい場合は、必ず入居条件を確認しましょう。
要支援2に関するよくある質問
要支援2に関するよくある質問を紹介します。
- 要支援2でも一人暮らしは可能か?
- 要支援2の場合デイサービスは何回利用できるの?
- 区分が要介護にならないためにできることは?
ひとつずつ見ていきましょう。
要支援2でも一人暮らしは可能か?
要支援2の場合、基本的な日常生活はできる状態ではあるので、場合によっては一人暮らしは可能といえるでしょう。
とはいえ、今まで通りの生活を続けていると、加齢にともない筋力が低下してしまうため、身体能力が衰える可能性があります。
介護度が重くならないためにも、早い段階から将来に備えて体制を整えることが大切です。
社会との繋がりを保ちながら、住み慣れた自宅でより長く暮らしていけるよう、介護サービスを活用しましょう。
しかし、介護が必要となっているサインは本人も家族も判断が難しい場合が多いです。
介護が必要となる目安を、「【介護はいつから?】「介護のはじまり」チェックリスト」にてまとめています。
ぜひ参考にしてみてください。
要支援2の場合デイサービスは何回利用できるの?
要支援2では、介護予防通所介護(デイサービス)は1〜2回/週利用しているケースが多くみられます。
介護予防通所介護(デイサービス)は自治体によってそれぞれ費用が異なります。
例として、福岡県の生活支援型通所サービスの場合、要支援2の費用の目安は2,715円(週2回利用)です。
※参照:(福岡市 介護予防・日常生活支援総事業介護予防ケアマネジメントマニュアル)
要支援2の通所介護の利用頻度に回数制限はありませんが、一定回数以上を利用した場合、区分支給限度基準額に応じた上限月額での請求となります。
多くのサービスが必要とされる場合には区分変更申請を行い、認定の変更が認められた上で、適切な利用回数を設定する必要があります。
区分が要介護にならないためにできることは?
要支援2から要介護にならないためには、介護予防を行うことが大切です。
要支援2で利用できる介護予防サービスを活用することで、スタッフが介入し要介護にならないようサポートしてくれます。
また、介護予防福祉用具を生活に取り入れながら、転倒がないよう安全に配慮して生活を送ることも大切です。
本人だけではなく家族と一緒にどのようなサポートが必要か考え、心身ともに元気な状態で日常生活が送れることを目指していきましょう。
まとめ
本記事では要支援2について詳しく説明しました。
要支援2は要介護度が軽度ではありますが、サービスを利用して本人や家族の負担を軽減することも大切です。
サービスを受けるために何から始めたらいいかわからない方は、まずは最寄りの地域包括支援センターに相談してみましょう。
ご自身に合ったサービス内容をアドバイス・相談にのってくれます。
要介護へと介護度が重くならないためにも、有効的にサービスを活用していきましょう。
社会保障学者・武蔵野大学名誉教授・行政書士有資格
社会保障学者・武蔵野大学名誉教授・行政書士有資格
博士(早稲田大学)、福祉デザイン研究所所長、武蔵野大学名誉教授。
1994年、つくば国際大学教授に就任後、武蔵野大学大学院教授を歴任。専門は社会保障、高齢者福祉、地域福祉、防災福祉。シニア社会学会・世田谷区社会福祉事業団理事。