【表比較でわかる!】高齢者向け住宅とは?
高齢化が進み、高齢者が暮らしやすい住宅が増えてきています。その代表が「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」です。
敷金2ヶ月程度で入居できるところも多く、見守りと生活相談は必ずついた、バリアフリーの賃貸住宅です。都市部を中心に全国で約28万戸あります(※)。
この他に、シニア向け分譲マンションがあります。高齢者の生活に配慮がされた所有権のあるシニア専用の分譲マンションで、レストランで食事ができ、大浴場があるなど、共有スペースが整備されています。
特に、建物内にクリニックなどが併設されている物件は人気があるようです。
※記事の内容は2022年12月時点の情報をもとに作成しています。
ベネッセでは?
サービス付き高齢者向け住宅「リレ」シリーズの運営を行っています。 「リレ」は、バリアフリーの設備と見守りや生活相談・生活支援サービスなどの安心に包まれながら、ご自宅と変わらない自由な暮らしができる比較的お元気な人向けの住まいです。
介護が必要になった場合は、お身体の状態やご希望に合わせて、お一人おひとりに合ったご提案をさせていただくことができます。近隣にはベネッセの介護型の有料老人ホームがございますので、同じ地域内での住み替えも可能です。
高齢者向け住宅の種類
施設の名称 | サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)詳細を見る | シニア向け分譲マンション詳細を見る | |
---|---|---|---|
入居対象者 | 自立 | 〇 | 〇 |
要支援 | 〇 | × | |
要介護 | 〇 | × | |
入居時の費用 | 数万円~数百万円。一部に0円や数千万円(敷金として家賃の2ヶ月分程度が多い)※2 | 1,000万円~1億円以上 | |
月額費用(目安) | 5~40万円程度(食事代込みの場合) | 10万円~30万円(食事代込みの場合) | |
付帯サービス | 食事 | △(別途契約が必要。ほとんどについている) | 〇 |
緊急時の対応 | 〇 | 〇 | |
介護 | △(外部サービスを利用) | × | |
終のすみかになる | △※3 | × |
※1 入居時の費用は、あくまでも目安。各住宅により異なる。
※2 入居金を設定しているホームもあるので事前に確認が必要。(一部には数千万円も)
※3 一部に特定施設入居者生活介護の認可を受けたところや、看取りまで行うサ高住もある。
「サ高住」と「住宅型有料老人ホーム」の違いは?
最近急激にその数を伸ばしている「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は、高齢者向けの設備やサービスがつけられた賃貸住宅として2011年にスタートしました。
ところが、実際には食事を出すなどのサービスを提供しているサービス付き高齢者向け住宅が96%(国土交通省のデータによる)あります。
老人福祉法では「高齢者を1人でも入居させ、食事、介護、家事、健康管理のいずれか1でもサービスを提供するところは有料老人ホーム」と定義しているため、多くのサ高住は有料老人ホームに該当することになります。
しかし、サービス付き高齢者向け住宅は、「有料老人ホーム」として届け出する前に「サービス付き高齢者向け住宅に登録し、サービス付き高齢者向け住宅として運営されているのです。
なお、サービス付き高齢者向け住宅の9%程度は「特定施設入居者生活介護」の指定を受けており、「介護付サ高住」として、要介護者を受け入れて介護しています。
このように、有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の垣根がわかりにくくなっているのは事実です。それでは、「介護付サ高住」は特例とし、ここでは、主に一般的な「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」と「住宅型有料老人ホーム(住宅型)」の違いを見ていきましょう。
大きな違いは、設備面、サービス面、金銭面です。「サ高住」は、「共用部・居室はバリアフリー設備であること」、居室は「原則25㎥以上」であり「台所・浴室・寝室・収納・トイレ・洗面があること」が登録条件となります。(※)
一方、「住宅型」は、ストレッチャー用エレベーター、汚物処理室などの設備、スプリンクラーの設置などが義務付けられています。サービス面では、「サ高住」は「生活相談、日中の見守り」サービスは必ずついていますが、それ以外の「食事、ゴミ出し、洗濯、通院の同行」などは任意の有料サービスになっています。
金銭面では、「サ高住」は入居一時金が要らない場合が多く(設定している場合もある)、月額費用も比較的安く設定されていますが、必要なサービスを受けようとすると別に費用がかかって高くつくこともあります。
一口に「サ高住」と言っても、生活支援サービス、介護サービス、健康管理サービスに力を入れているところなど、住宅によってかなり差があります。設定されている費用にどんなサービスが含まれているのか、有料老人ホームも含めてしっかりと比較検討することが必要でしょう。
※ただし、共有のリビング、キッチンがあれば、居室は18㎡以上でも可。その場合は浴室も共同利用となるのがほとんどです。
FPリフレッシュ代表、CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、住宅ローン・アドバイザー
FPリフレッシュ代表、CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、住宅ローン・アドバイザー
「高齢期の住まい」に着目し、東京や神奈川を中心に、介護付有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、240ヶ所以上を訪問。現在、「終のすみか探し」コンサルタントとして、シニア期の住まい探し・住みかえ、執筆、講演と、幅広く活動している。