【表比較でわかる!】サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?特徴や費用、入居の流れを解説
親が高齢になると、いまは元気でも「今後も一人暮らしを続けさせてよいのか」と不安になることはないでしょうか?
現時点では介護の必要性がないけれど、今後の生活が不安という高齢者におすすめなのが「サービス付き高齢者向け住宅」です。
利用者の「自由」に応えながら、安否確認や生活相談サービスを受けられるバリアフリー対応の賃貸住宅です。
主な利用対象者は基本的に元気な高齢者で、サービス付き高齢者向け住宅の数は約28万戸と毎年増加しています(※令和5年2月時点)。
本記事では、サービス付き高齢者向け住宅の特徴や費用、入居までの流れなどを見ていきます。
※参照:サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム「サービス付き高齢者向け住宅の登録状況」
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?
サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)は、バリアフリー仕様の高齢者向けの賃貸住宅です。
主に民間事業者が運営を担っており「サ高住」や「サ付き」と呼ばれることもあります。
サ高住では、高齢者が安心して暮らせるために必要なサービスを提供しています。
サ高住を理解するために、まずは以下の表で有料老人ホーム、シニア向け分譲マンションとの違いを簡単にでも把握しておきましょう(のちほど詳しく違いを見ていきます)。
サービス付き高齢者向け住宅 | 有料老人ホーム | シニア向け分譲マンション | ||
---|---|---|---|---|
管轄 | 国土交通省・厚生労働省※ | 厚生労働省 | ー | |
対象者 |
|
主に65歳以上(60歳以上も)
|
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サービス・設備 |
|
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|
|
契約形態 | 賃貸借契約 | 主に利用権 | 所有権 | |
一人当たり床面積 | 25㎡以上(条件付で18㎡以上も可) | 13㎡以上 | ー なし |
※見守り、生活相談サービスに関しては厚生労働省が指導・監督と両省共管で行われている。
なお、サ高住は「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」の改正により創設された登録制度です。
こちらの制度は、高齢者が安心して生活できる住まいづくりを推進するために制定されました。
建物・居室の構造、サービス、契約関連の基準を制定し、それを満たすことで都道府県に登録できます。
登録されると「サービス付き高齢者向け住宅情報管理システム」に住宅情報が公開されるので、検索されやすくなります。
サービス付き高齢者向け住宅は2種類ある
サ高住には、以下の2つの種類があります。
- 一般型
- 介護型
それぞれの特徴を知って、どちらが利用者に合っているのか検討しましょう。
①一般型
自分のペースで生活を送ることができる「一般型」はサ高住の数のうち、多くを占めています。
自由に外出をしたり、住宅内で開催されるイベントに参加したりと活発です。
また、ダイニングで他の利用者と交流が可能なところもあります。
一般型は自立した方の入居を想定しているため、介護が必要になった場合は外部のサービスの利用が必要です。
住宅によっては、要介護度が高くなった場合、退去になる可能性もあります。
なお、大半のサ高住ではオプションサービスで食事を提供していますが、提供義務はないため、必要な人は入居の際には確認しておきましょう。
②介護型(特定施設)
介護型(特定施設)は、サ高住の中でも「特定施設入居者生活介護」の指定を受けたところを指します。
利用者は全員要介護・要支援の認定を受けているため、食事や入浴の介助のほか、介護・看護サービスなど有料老人ホームと同等のサービスを受けられます。
そのため、介護度が高くなった場合でも安心して暮らせるでしょう。
サ高住によっては外出や面会に制限を設けていることもあり、一般型より自由度が低くなる場合もあります。
しかし、サ高住のうち「介護型」の割合は約7%※と少ないのが現実です。
なお「特定施設入居者生活介護」の指定を受けていないサ高住が「介護型」と銘打って要介護認定者を入居させているところもあるため注意しましょう。
ここまでサ高住の「一般型」と「介護型」の特徴を見てきましたが、大きな違いは介護サービスの利用形態です。
特定施設に指定されているサ高住の場合、介護保険の中にある食事や入浴、排泄などのサービスが受けられます。
利用者が必要とするサービスがあるかどうか、あらかじめ確認しておきましょう。
サービス付き高齢者向け住宅の費用・料金
サービス付き高齢者向け住宅を利用するための費用を見ていきます。
一般型と介護型で費用が大きく異なりますが、どちらも「敷金」と「月額利用料」が必要です。
敷金
敷金とは入居する前に支払う初期費用です。「保証金」と記すところもあります。
サ高住の規模・仕様や立地などによって費用が異なるため、入居の意思決定前に確認を行いましょう。一般的に礼金や更新料は不要です。
敷金のおおよその相場は以下のとおりです。
- 一般型:数万円~数百万円
- 介護型:数万円~一部に数千万円
サ高住へ入居する時は、通常の賃貸借契約と同様です。
サ高住によっては、下記のようなプランを設定しているところもあります。
- 家賃の一部を前払いして月々の支払額を抑えるプラン
- 預り金を支払い月額利用料が支払えなくなった時に充てる保証金プラン
入居する前に、敷金についてはしっかりと確認しておきましょう。
月額利用料
月額利用料の内訳は、家賃・管理費・食費などです。
費用の名目は「生活支援サービス」や「基本サービス費」と記載されますが、安否確認や生活相談サービスも含まれています。
月額利用料のおおよその相場は以下のとおりです。
- 一般型:5万円~25万円
- 介護型:15万円~40万円
水道・光熱費に関しては、「一般型」だと居室のキッチンで自炊も可能なため費用はそれぞれ使用分を支払います。
「介護型」は食事サービスの提供を前提に、水道・光熱費が含まれていることもあります。
サ高住によって月額利用料もそれぞれ異なるので、入居を検討する際に確認しましょう。
さらに費用内訳や支払い方式に関しては、下記の記事にまとめています。
サービス付き高齢者向け住宅のサービス内容
サ高住には、「必ず受けられるサービス」と「必要に応じて受けられるサービス」があります。
事前にどのようなサービスが利用者に必要なのか確認しておきましょう。
必ず受けられるサービス
サ高住では、以下のサービスが付帯しています。
- 安否確認・見守りサービス
- 生活相談サービス
さらに詳しく見ていきます
安否確認・見守りサービス
サ高住では、安否確認や見守りサービスがあるため、スタッフが利用者の部屋を定期的に訪問してくれます。
利用者の「万が一」や異変には迅速に対応してくれるので、利用者はもちろん、離れて過ごす家族も安心して生活できます。
スタッフが夜間に常駐していないサ高住では、緊急通報システムにより対応する場合も多いです。
訪問の時間や回数、どこまで対応してもらえるのかは、サ高住によってさまざまです。
より手厚いサービスを希望する場合は、24時間スタッフが常駐しているサ高住を選ぶと安心でしょう。
生活相談サービス
生活相談サービスとは、介護や通院の必要性、心身の不安や悩みなど生活のあらゆる相談に乗ってくれるため、利用者は快適に生活できます。
生活相談をきっかけに適切なサービスの導入に至るケースもあり、利用者が安心して生活を送り続けられるようサポートしてくれます。
必要に応じて受けられるサービス
以下のサービスは別途契約を行い、利用に応じて費用がかかります。
- 緊急時対応サービス
- 生活支援サービス
- 食事提供サービス
- 介護・医療サービス
すべてのサ高住で提供しているわけではないため、事前に確認しておきましょう。
緊急時対応サービス
緊急時対応サービスでは、利用者の緊急時に駆けつけ、救急車の要請や家族への連絡を行ってくれます。救急車を呼ぶほどではない時は、往診依頼をしてくれることもあります。
地震や自然災害で避難が必要な際にも、しっかりサポートしてくれるので安心です。
生活支援サービス
生活支援サービスでは、買い物の代行や外出時の付き添い・サポートをしてくれます。
「動作が遅くて予定時間に間に合うか心配だ」「買い物の荷物を運ぶのが大変だ」といった負担を解消してくれるため、社会との関わりに対して積極的になる利用者もいます。
部屋の清掃・洗濯を行ってくれるサービスもありますが、有料になる場合もあるので注意が必要です。利用者にとって必要なサービスを依頼するようにしましょう。
食事提供サービス
サ高住では、利用者に温かい食事を用意してくれます。
そのため「買い物に行くのが億劫だ」「1人分を作るのは面倒くさい」といった問題が解決され、栄養が偏る心配もありません。
お身体の状況によっては、ミキサー食やきざみ食に対応してくれる場合もあります。
介護・医療サービス
サ高住は、介護事業所や医療機関を併設しているところもあります。
そのような場合には要介護度が上がっても、慣れ親しんだところで介護や医療を受けられます。
入居者が介護保険サービスを利用する時は、サービス提供を行う介護サービス事業者を自由に選択・変更が可能です。
なお、特定施設入居者生活介護として指定を受けているサ高住であれば、サ高住から介護保険サービスを受けられます。
また、サ高住では看取りを実施する割合も高まっており、2021年は約23%※に達しています。
看取りに対応可能かどうかはサ高住によって状況が異なるので、看取りまで希望する人は入居する前に確認しておきましょう。
※参照:高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究|全国有料老人ホーム協会(令和4年3月)
サ高住の設備基準を以下にまとめました。
居室の広さ | 各専用部分の床面積は、原則25㎡以上 (ただし、居間、食堂、台所そのほかの住宅の部分が高齢者が共同して利用するため十分な面積を有する場合は18㎡以上) | |
---|---|---|
居室の設備 | 各専用部分に、原則台所・水洗便所・収納設備・洗面設備・浴室を備える。 (ただし、共用部分に適切な台所、収納設備または浴室を備えることにより、各戸に備える場合と同等以上の居住環境が確保される場合は、各戸に台所、収納設備または浴室を備えずとも可) |
|
バリアフリー構造 | 段差はなくし、便所や浴室及び住戸内の階段に手すりを設置 | |
エレベーター | 3階建以上の共同住宅は、建物出入口のある階に停止するエレベーターを設置 |
なかには、見守りセンサーや緊急通報装置が設置されているところもあります。
通路や出入り口の幅も高齢者を想定して作られているため、一般の集合住宅よりも高齢者が生活しやすい環境といえます。
また、サ高住のスタッフが日中は常駐しているため、健康相談や生活の中での困りごとを打ち明けやすい環境です。
サービス付き高齢者向け住宅の人員配置
サ高住の人員基準は、以下いずれかの資格を有するスタッフが日中駐在しています。
- 社会福祉法人、医療法人、指定居宅サービス事業所などのスタッフ
- 医師
- 看護師
- 介護福祉士
- 社会福祉士
- 介護支援専門員
- 介護職員初任者研修を修了した者
夜間の人員配置はとくに基準ありません。
しかし、現状では宿直や夜勤体制を図り、夜間も人員配置しているサ高住も多いようです。
サ高住によって夜間の人員配置は異なるため、事前に確認しておくと安心です。
サービス付き高齢者向け住宅の入居条件
サ高住の基本的な入居条件は下記のどちらかに該当する人です。
- 1.年齢が60歳以上
- 2.年齢が60歳未満で要介護・要支援認定を受けている
また、単身だけでなく、同居が可能なサ高住もあります。
同居の場合は、以下のいずれかに該当しなければなりません。
- 入居者の配偶者
- 60歳以上の親族
- 要介護、要支援認定を受けている60歳未満の親族
- 特別な理由により同居させる必要があると知事が認める者
他にも、サ高住によっては独自の入居条件を以下のように設けているところもあります。
- 認知症ではない
- 身の回りのことは自分で可能
上記は一例ですが、サ高住によって入居条件はそれぞれ異なります。
入居を検討しているサ高住がある場合は、直接問い合わせてみましょう。
なお、「介護型」のサ高住だと介護対応もできるため、認知症の人でも入居できる場合が多いです。
サ高住と有料老人ホームの違い
冒頭でも少し触れましたが、いまからサ高住と有料老人ホームの違いについてです。
有料老人ホームとは、高齢者が暮らしやすいように配慮された「住まい」です。
有料老人ホームには「介護付」「住宅型」「健康型」の3種類があります。
介護付はさらに「入居時自立型」「介護専用型」「混合型」に分けられます。
以下の表では、サ高住と有料老人ホーム(3種類)の違いをまとめました。
施設の種類 | サ高住 | 介護付有料老人ホーム (入居時自立型)詳細を見る |
介護付有料老人ホーム (介護専用型)詳細を見る |
介護付有料老人ホーム (混合型)詳細を見る |
住宅型有料老人ホーム詳細を見る | 健康型有料老人ホーム詳細を見る | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
入居対象者 | 自立 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
要支援 | 〇 | × | ×※1 | 〇 | 〇 | × | |
要介護 | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇 | × | |
入居金 |
【一般型】 数万円~数百万円 【介護型】 数万円~一部に数千万円 |
0円〜数億円を超えるものまで幅広い※2 | |||||
月額利用料 |
【一般型】 5万円~25万円 【介護型】 15万円~40万円 |
12~40万円程度 | 12~40万円程度 | 12~40万円程度 | 12~40万円程度 (介護サービス費がかかる場合は別途) |
12~40万円程度 | |
付帯サ|ビス | 食事 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
緊急時の対応 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
介護サービス | × (外部サービスを利用) |
〇 | 〇 | 〇 | × (外部サービスを利用) |
× |
※1「介護型」の場合は○。
※2 入居時の費用は、あくまでも目安。各施設により異なる。
サ高住と有料老人ホームの大きな違いは「介護サービス」と「契約形態」です。
サ高住では、利用者が過ごしやすいようバリアフリーに対応した賃貸住宅であり、契約は「賃貸契約」になります。介護サービスは含まれていません。
一方、有料老人ホームでは利用者が快適に暮らせるよう、さまざまなサービスが提供されています。
そして契約形態は、居室や共用設備、介護サービスや生活支援にかかる料金をひとまとめにした「利用権方式」となります。
さらに詳しくサ高住と有料老人ホームの違いを知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。
次に、有料老人ホームの中でも数の多い「介護付有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」と、サ高住の違いについて見ていきます。
サ高住と介護付有料老人ホームの違い
介護付有料老人ホームは、入居時のお身体の状況によって、以下3つのタイプに分けられます。
- 介護専用型
- 混合型
- 自立型
サ高住と介護付有料老人ホームの違いは以下のとおりです。
サ高住 | 介護付有料老人ホーム (介護専用型) |
介護付有料老人ホーム (混合型) |
介護付有料老人ホーム (自立型) |
||
---|---|---|---|---|---|
入居条件 |
|
要介護度1以上。 なかには要支援1以上のホームもある |
要介護・要支援・自立 | 自立した人 | |
契約形態 | 建物賃貸借契約 | 利用権方式 | |||
介護サービス | × (外部サービスを利用) |
〇 | 〇 | 〇 |
介護付有料老人ホームとは、掃除や洗濯といった身の回りのサポートのほか、介護サービスや健康管理をあわせて受けられる介護ホームです。
なお、「介護付」と名のつく有料老人ホームは「特定施設入居者生活介護」の認定を受けたホームのことを指します。
サ高住の「介護型」も同様に、「特定施設入居者生活介護」の認定を受けています。
しかし、それぞれ契約形態は異なり、介護付有料老人ホームの契約は「利用権方式」が一般的です。
居室や共用設備、介護サービスや生活支援サービスを受ける権利を購入します。
一方、サ高住の契約は「建物賃貸借契約」です。入居時に必要な費用は「敷金」という形で支払います。
また、介護付有料老人ホームでは外部の介護サービスを別途契約する必要もないため、サービスを一つひとつ選ぶ手間がありません。
反対にサ高住では外部サービスを利用して、必要なサービスを選択する必要があります。
他にも、介護付有料老人ホームの特徴やメリット・デメリットは下記の記事にまとめています。
サ高住と住宅型有料老人ホームの違い
住宅型有料老人ホームでは、介護を必要としない自立状態の人をはじめ、要介護の人まで対象は幅広いです。
サ高住と住宅型有料老人ホームの違いを以下にまとめました。
サ高住 | 住宅型有料老人ホーム | ||
---|---|---|---|
入居条件 |
|
|
|
契約形態 | 建物賃貸借契約 | 利用権方式 | |
サービス内容 |
|
|
サ高住と住宅型有料老人ホームは、共通する部分が多くありますが契約形態は異なります。
サ高住が「賃貸借契約」であるのに対して、住宅型有料老人ホームは「利用権方式」が一般的です。
その他の違いは、サ高住はスタッフの人員配置が定められているのに対し、住宅型有料老人ホームでは人員基準が定められていないことです。
ホームで提供するサービスに応じて、必要数の人員配置をすればよいとされているのです(※施設長1名の配置のみ定められています)。
また、両者ともに介護サービスが必要になった場合は、外部サービスの利用が必要です。
さらに詳しくサ高住と住宅型有料老人ホームの違いを知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。
サ高住とシニア向け分譲マンションとの違い
サ高住とよく混同されるのが「シニア向け分譲マンション」です。
その違いは、「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」の基準に沿って建物が作られているか否かです。
サ高住は基準に沿って建物がつくられ、シニア向け分譲マンションはバリアフリーに関して法の指定がありません。
それぞれの違いを下記の表にまとめました。
サ高住 | シニア向け分譲マンション | ||
---|---|---|---|
入居条件 |
|
|
|
契約方法 | 建物賃貸借契約 | 所有権 | |
サービス内容 |
|
|
サ高住は、安否確認や生活相談サービスをつけるという登録基準を満たす必要がありますが、シニア向け分譲マンションはとくにありません。
シニア向け分譲マンションは購入資金があれば比較的簡単に入居できますが、購入費用は1千万円位から1億円以上というところもあります。
さらに月々の管理費や生活費で数十万円の費用が必要です。個人の資産にはなりますが、共用設備が充実している分、一般的な分譲マンションよりも高額になっています。
シニア向け分譲マンションの費用やサービスについては、下記の記事により詳しくまとめています。
サービス付き高齢者向け住宅のメリット・デメリット
サ高住を利用するメリット、デメリットを詳しく見ていきます。
メリット
サ高住を利用するメリットは以下の通りです。
サ高住のメリット |
|
---|
サ高住の大きなメリットは、賃貸借契約なので有料老人ホームに比べると入居金が安い点です。
また、有料老人ホームのように1日のスケジュールが決まっていないので、自宅と同じような暮らしを送ることができます。
そして賃貸住宅であるため、基本的に外出制限もありません。
さらにバリアフリー仕様なので、一般的な賃貸住宅と比べて生活しやすいのもメリットです。
デメリット
サ高住を利用するデメリットは以下の通りです。
サ高住のデメリット |
|
---|
サ高住は、先述したように有料老人ホームと比べると費用は安いです。
しかし、一般的な賃貸住宅に比べると費用は高くなっています。
なお、サ高住の「一般型」では、有料老人ホームのように人員基準は決められていません。そのため夜間のスタッフの人員はサ高住によって異なります。
一方、「介護型」では看護職員・介護職員は日中常駐していますが、全国でも介護型は少ないのが現状です。
なお認知症がある場合は、サ高住によっては入居できない可能性があるため、事前に確認をとる必要があります。
サービス付き高齢者向け住宅の失敗しない選び方
利用者と家族にとって失敗しないサ高住を選ぶためには、以下の点をチェックしましょう。
- 1.費用
- 2.サービス内容
- 3.居住環境
- 4.立地
一般型のサ高住は、介護が必要になった際に外部の介護サービスを手配する必要があります。
認知症が進行し、他の入居者やスタッフへの迷惑行為が常態化してきた場合には、退去しなければなりません。
介護型なら環境を変えずに生活できるところもありますが、自由度は低くなります。
利用者と家族が今後どのような生活を希望するかをよく話し合い、納得した上で住まいを選びましょう。
選択肢を増やすためにも、下記記事でその他の高齢者施設・住宅の種類・特徴についても知っておくとよいでしょう。
サ高住に入居するまでの流れを見ていきます。
大きくは以下の4ステップで進むため、事前に必要書類や物品を準備しておきましょう。
- ①情報収集
- ②問い合わせ・施設見学
- ③申し込み・審査
- ④契約・引っ越し
①情報収集
サ高住の情報を収集するためにはインターネットが便利です。希望の条件や立地から絞り込めます。
都道府県などに登録された全国のサ高住の情報は、『サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム』 をご覧ください。
例として下記のようなことを調べられます。
- 家賃
- 専用面積
- サービス内容
- 併設施設の有無
- 築年数
候補となるサ高住が絞れたら、ウェブサイトや電話で資料請求をしましょう。
担当のケアマネジャーがいる場合には、相談して意見を参考にするのもひとつの方法です。
②問い合わせ・施設見学
入居候補となりそうなサ高住に問い合わせて見学してみましょう。
スタッフや建物全体の雰囲気、生活環境など見学してこそわかることがあります。そのため、時間や手間は惜しまないようにしましょう。
ただし、有料老人ホームと異なり賃貸借契約の住宅のため、見学できる範囲が限定されている場合があります。
事前に問い合わせて確認が必要です。
③申し込み・審査
入居するサ高住が決定したら、入居を申し込む前に条件の最終確認をしましょう。
比較的元気なうちから利用できるサ高住は、長く住むことが前提です。契約書類のすみずみまで目を通し、疑問点は不安が残らないように解決しておきましょう。
とくに、要介護になった場合や認知症になった場合に、どのくらいまでならサ高住で生活できるのか確認しておくと安心です。
④契約・引っ越し
必要書類の確認・各種契約が済んだら正式に入居となります。引っ越しは通常と同様です。新たな生活に早く慣れるためにも、使い慣れた生活用品、日用品は忘れずに準備しましょう。
また、困ったことは遠慮なくスタッフに相談しましょう。はじめから相談できる体制を築いておくと、何かあった時も気軽に話せるようになります。
まとめ
本記事では、サ高住について詳しく見てきました。
サ高住は利用者の「自由」に応えながら、安否確認や生活相談サービスを受けられるバリアフリー対応の賃貸住宅です。
今後の生活が不安という高齢者に、第二の自宅としておすすめの環境といえます。
しかし、介護度が高くなったり認知症が進行したりする場合は、退去を余儀なくされる場合もあります。
今後の生活をイメージしながら、どのように暮らしていきたいかを考えてみましょう。
なお、ベネッセではこれから高齢者向け施設を探したい場合、資料請求した方に特別冊子「老人ホーム選びがよくわかる本」「老人ホーム選びがよくわかる本」をお送りしています。
住まい選びの悩みを解決するヒントとしてぜひご活用ください。
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FPリフレッシュ代表、CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、住宅ローン・アドバイザー
FPリフレッシュ代表、CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、住宅ローン・アドバイザー
「高齢期の住まい」に着目し、東京や神奈川を中心に、介護付有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、240ヶ所以上を訪問。現在、「終のすみか探し」コンサルタントとして、シニア期の住まい探し・住みかえ、執筆、講演と、幅広く活動している。