【表比較でわかる!】住宅型有料老人ホームとは?費用・メリット・デメリットを徹底解説
住宅型有料老人ホームでは、介護を必要としない自立している人をはじめ、要介護の人まで幅広い方々が対象です。
そこで本記事では、住宅型有料老人ホームの特徴や費用、入居するまでの流れを見ていきます。
住宅型有料老人ホームでは、見守りや生活支援サービスを受けながら、ライフスタイルに合った生活を送ることが可能です。
大切な家族の住まいを選ぶためにも、ぜひご一読ください。
住宅型有料老人ホームの特徴とは? 有料老人ホームとの違いも解説
そもそも住宅型有料老人ホームは、有料老人ホームのなかのひとつです。
有料老人ホームには以下の3種類があります。
- 住宅型有料老人ホーム
- 介護付有料老人ホーム
- 健康型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームとは、厚生労働省の定義では「生活支援サービス付きの高齢者向け居住施設」とされています。
食事・洗濯・清掃などの生活支援サービスや、見守り、緊急時の対応サービスを受けられます。また、レクリエーションやイベントに力を入れている点も魅力です。
住宅型有料老人ホームの対象者は「自立〜要介護」と幅広いです。
実際に厚生労働省の調査でも、以下のような結果が出ています。
- 自立から要介護2までの軽度要介護者は「約49%」
- 要介護3〜5までの重度要介護者は「約50%」
(※参照:厚生労働省|高齢者向け住まいの今後の方向性と紹介事業者の役割(令和2年10月26日))
なお、住宅型有料老人ホームは要介護の人も入居が可能ですが、介護サービスを提供していません。
介護サービスが必要な場合は、介護事業者と別途契約して利用することになります。
それではいまから、「在宅型」と「介護付・健康型」それぞれの違いについて説明していきます。
介護付有料老人ホームとの違い
住宅型有料老人ホーム | 介護付有料老人ホーム | |
---|---|---|
概要 | 自立~要介護の高齢者が生活支援を受けて生活する | 自立~介護が必要な高齢者が介護・生活支援を受けて生活する |
提供するサ|ビス | 食事・洗濯・清掃等の生活支援
※介護サービスは外部の事業者と別途契約が必要 |
生活支援のほか、身体介護・機能訓練・レクリエーション・サークル活動など |
要介護となった場合 | 居宅サービス事業者と契約が必要 | そのまま居住が可能 |
介護付有料老人ホームとは、掃除や洗濯といった身の回りのサポートほか、介護サービスや健康管理をあわせて受けられる介護施設です。
ホームには24時間介護職員が常駐しており、適宜介護サービスを受けられる点が大きな特徴です。
一方で住宅型有料老人ホームは、生活支援などのサービスは受けられますが、介護サービスの提供はありません。
そのため介護が必要になった場合は、訪問介護などの外部の事業所と別途契約しなくてはいけません。
ホーム内のスタッフによる介護サービスを受けたい方は、介護付有料老人ホームを選択するとよいでしょう。
さらに詳しく介護付有料老人ホームについて知りたい方のために、下記記事でわかりやすく解説しています。
健康型有料老人ホームとの違い
健康型有料老人ホームと、住宅型有料老人ホームの大きな違いは『入居対象者』です。
その他の違いも表で比較してみましょう。
住宅型有料老人ホーム | 健康型有料老人ホーム | |
---|---|---|
概要 | 自立~要介護の高齢者が生活支援を受けて生活する | 自立状態の高齢者が家事や食事のサポートを受けて生活する |
提供するサ|ビス | 食事・洗濯・清掃等の生活支援 | 家事サポートや食事等のサービス |
要介護となった場合 | 居宅サービス事業者と契約が必要 | 退去 |
健康型有料老人ホームは、介護を必要としない自立した高齢者向けのホームです。
身の回りのことはご自身でできる高齢者が、元気な状態を維持できるように支援する設備が整っています。
そのため、定年退職後も体力・気力ともに十分あるような自立の人が入居するケースが多いです。
なお、健康型有料老人ホームの場合、介護が必要となった場合は原則退去となります。
健康型有料老人ホームについては、以下の記事で解説しています。
一方、住宅型有料老人ホームは、対象者が自立〜要介護者ということで幅広くなっています。
ちなみに、2019年6月時点の厚生労働省老健局の調査によると、有料老人ホームのなかでも住宅型の数は最も多く、さまざまなホームがあります。
数が多いということはその分、希望に合わせて、多くの選択肢を比較検討できるといえるでしょう。
【全国の有料老人ホームの数】※
- 住宅型有料老人ホーム︰10,029施設
- 介護付有料老人ホーム:4,070施設
- 健康型有料老人ホーム:19施設
(※参照:厚生労働省|高齢者向け住まいの今後の方向性と紹介事業者の役割(令和2年10月26日))
住宅型有料老人ホームの入居条件
住宅型有料老人ホームの入居条件は、ホームによってさまざまです。
「65歳以上」や「自立〜要介護5」という条件が一般的です。しかしホームや身体の状況によっては、65歳未満でも可能なケースもあります。
また、介護保険における「特定疾病」が原因で介護が必要になった場合は、40歳以上65歳未満の人でも要介護(要支援)認定の申請ができます。
(※参照:厚生労働省|特定疾病の選定基準の考え方)
住宅型有料老人ホームは介護を必要としない方も多く、ホームごとに医療・看護体制はそれぞれ異なります。
なお、軽度の認知症なら受け入れできるホームもあります。
身体の状況や持病に関する不安がある場合は、入居を希望するホームに直接問い合わせてみましょう。
住宅型有料老人ホームで受けられるサービス
住宅型有料老人ホームでは、「食事の提供」「洗濯や掃除などの家事」「健康管理」などの生活支援サービスを受けられます。
自立した状態で入居し、必要性に応じて訪問介護やデイサービスを別途契約して利用します。
ホームの有料サービスもうまく組み合わせながら生活することで、より充実した暮らしを送れるでしょう。
次に、受けられるサービス内容について詳しく説明していきます。
食事の提供
食事の時間帯はホームによって異なりますが、1日3食に加え多くのホームではおやつも提供されます。
食事を楽しみにしている入居者が多いため、さまざまな工夫を凝らしているホームも多いです。
なお、入居者の噛む力や飲み込む力に応じて、きざみ食やソフト食、ミキサー食など調整できるホームもあります。
身体の状況によっては、糖質制限食やカロリー制限食などを個別に対応してくれるホームもあるので確認してみましょう。
洗濯・掃除・見守りなどの生活支援
住宅型有料老人ホームでは、見守りサービスに加え、居室の掃除や洗濯のお手伝いもしてくれます。
見守りサービスとは、転倒や転落といった事故の防止や急な体調不良にすぐに気づけるよう、入居者の様子をホームのスタッフが見守るサービスです。対面での安否確認をはじめ、見守り方法はカメラやセンサー、GPS※をつかった方法など、ホームによって多種多様です。
その他、買い物代行や来客の受付の対応など、入居者に応じて必要な生活支援サービスを利用できます。
※GPS(ジーピーエス:”Global Positioning System”の略で、人工衛星を利用して対象の位置を特定できるシステム)
レクリエーションやイベント企画
住宅型有料老人ホームは、介護を必要としない自立した方から、要介護度が高い方まで暮らしています。
ホームでは行動の制限も少なく、日々のレクリエーションやイベント企画に力を入れているところも多いです。
ホーム内だけではなく、外出イベントや外部ボランティアを招いた企画など種類はさまざまです。
入居を検討する際は、どのようなイベント・企画を行っているのかも確認してみましょう。
健康管理
住宅型有料老人ホームでは緊急時の対応のほか、健康相談も行ってくれます。
事故や体調に異変があった場合は、スタッフが救急車の手配をしてくれるなど迅速な対応が可能です。
看護職員が在籍するホームでは、インスリン注射やたんの吸引など医療的ケアが受けられることもあります。
ただし医療的ケアの範囲はホームによって異なるので、事前に確認しておきましょう。
介護サービス(外部サービス)
住宅型有料老人ホームには、もともと介護サービスがついていません。
自宅にいるときと同様に、必要に応じて外部サービスの契約が必要です。
入居後に介護サービスが必要になった場合には、ケアマネジャーにケアプラン作成を依頼し、デイサービスや訪問介護を利用します。
必要なサービスだけを契約するため、要介護度が低い人は費用を抑えられるという特徴があります。
なお、近年はホーム内に訪問介護事業所やデイサービスが併設しているところも。
そこと契約することで、住宅型有料老人ホームでも、介護付有料老人ホームと同程度の介護サービスを受けられる場合もあります。
また、介護付有料老人ホームと異なり、介護保険で福祉用具のレンタルやデイサービスに通うことも可能です。
要介護度がそれほど高くないあいだは、サービスを組み合わせて利用することでご自分らしい快適な生活を送れます。
住宅型有料老人ホームの主な設備基準・人員配置基準
住宅型有料老人ホームには、設備基準が定められています。
しかし、人員配置基準はとくに定められていません。
理由は、比較的お元気な高齢者を入居対象者として想定しているからです。
そのため、ホームが提供するサービスに応じて、必要なスタッフが配置されていればよいとされています。
設備基準と人員配置について、以下にてさらに詳しく見ていきます。
設備基準
住宅型有料老人ホームは、一般的に以下の設備を備えています。
共用設備、居室の設備をそれぞれ見ていきましょう。
共用設備 | 食堂・浴室・健康管理室 | |
---|---|---|
居室の設備 | 洗面所・トイレ/場合によっては個別のキッチン・浴室 |
ホームによっては、共用のリビングやリハビリルームのほか、カラオケルーム、シアタールーム、プールなどがあります。
ホームごとに設備は異なり、入居者の希望に沿った設備があれば生活がより充実するでしょう。
そして、入居を検討する際は見学や体験会に参加して、現地の様子をしっかり確認することをおすすめします。
なお、居室は1人部屋だけではなく、2人部屋も用意しているホームも多く、空室があれば夫婦で入居することも可能です。
人員配置基準
住宅型有料老人ホームに人員基準は定められていません。
ホームで提供するサービスに応じて、必要数の人員配置をすればよいとされているのです(※施設長1名の配置のみ定められています)。
ちなみに、同じ有料老人ホームの介護付有料老人ホームでは、介護職員や看護職員、機能訓練士など職種ごとに人員配置基準が決まっています。
住宅型有料老人ホームの費用・料金
住宅型有料老人ホームに入居する際は、一般的に下記の費用が必要です。
- 入居金
- 月額利用料
なお住宅型有料老人ホームでは、介護保険サービスは原則適用されません。
しかし、外部の事業者を通して介護サービスを利用したり、福祉用具をレンタルしたりすることも可能です(※この場合においては介護保険が適用されます)。
いまから住宅型有料老人ホームの費用について、説明していきます。
入居金(入居一時金)
入居金とは、家賃やサービス費の一部を入居時に支払うお金です。
そのため入居金を支払うことで、月々の費用を抑えられます。
「入居金」は、「入居時費用」「入居一時金」などとも呼ばれることもありますが、ここでは「入居金」としています。
入居金は高額に設定されていることが多く、償却(しょうきゃく)期間が設けられている場合もあります。
償却とは、支払った入居金を毎月の家賃などに一定額ずつあてることです。
入居金はホームによって異なり、不要なところもあれば、数千万から数億かかるところもあります。
ホーム独自の初期費用を設けているため、疑問点は契約前にしっかり確認しましょう。
ちなみに入居金が不要な場合は、その分月額利用料が高めに設定されている場合が多いです。
なお、償却期間内に退去した場合には、残りの期間に応じた額が返金されます。
入居金や償却などのお金に関わる内容は、以下の記事でもわかりやすくまとめています。
月額利用料とは、毎月ホームに支払う費用を指します。
月額利用料の内訳は、家賃や管理費、食費、サービス費などです。
ホームや要介護度、支払い方法によって異なりますが、目安は月15万〜30万円ほど支払う必要があります。
ホームによって費用・内訳が異なるため、事前に確認しておきましょう。
入居者が、おむつや歯ブラシなどの消耗品をホームから提供してもらった場合は、その分も加算されることがあります。
ホームに平均費用を聞いたうえで、毎月かかる費用をシミュレーションしておくとよいでしょう。
住宅型有料老人ホームの詳しい費用相場や内訳については、以下の記事にてまとめています。
住宅型有料老人ホームのメリット・デメリット
住宅型有料老人ホームを利用するメリット・デメリットを簡単にまとめました。
以下の表をご覧ください。
メリット | ・生活の自由度が高い ・見守りサービスがある ・イベントやレクリエーションが多い ・必要な介護サービスだけ利用できる ・福祉用具のレンタルに介護保険が適応される |
|
---|---|---|
デメリット | ・医療依存度が高くなると退去が必要になる可能性がある ・介護サービスの利用が多くなると、毎月の介護費用が高くなる |
住宅型有料老人ホームのメリット・デメリットを理解した上で、入居を検討することが大切です。
ここから詳しく説明していきます。
メリット
住宅有料老人ホームのメリットは下記のとおりです。
- 比較的健康な人を対象としているため、生活の自由度が高い
- 万が一に対応してくれる見守りサービスがある
- イベントやレクリエーションが多く、ホームに活気がある
- 必要な介護サービスだけ利用できるため、費用削減が期待できる
- 福祉用具のレンタルに介護保険が適応される
住宅型有料老人ホームは、介護の必要がなく、趣味や行事を楽しみたい人におすすめです。イベントやレクリエーションが多いため、充実した暮らしを送れるでしょう。
とはいえ、自立している方から要介護の人まで対象範囲は幅広いです。
介護が必要な人でも、外部の介護サービスを利用すれば入居できます※。
また、住宅型有料老人ホームの場合、福祉用具のレンタルに介護保険が適応されます。レンタルの場合、身体の状況に合わせて福祉用具を変更可能です。
しかし、介護保険が適用される福祉用具は、要介護度に応じて決まっています。そのため、必要な福祉用具が適用対象ではない場合は自己負担になりますので注意しましょう。
※ホームによって受け入れ可能範囲は異なるため、事前にお問い合わせが必要です。
デメリット
住宅有料老人ホームのデメリットは下記のとおりです。
- 医療依存度が高くなると退去が必要になる可能性がある
- 介護サービスの利用が多くなると、毎月の介護費用が高くなる
住宅型有料老人ホームでは、介護サービス介護サービスを提供していません。
そのため、介護が必要になった場合、外部の介護サービスを利用する必要があり、サービスの利用回数が増えると、住宅型有料老人ホームの費用が想定より高くなるケースもあります。
そして先ほどもお伝えしたように、住宅型有料老人ホームではスタッフの配置基準が定められていません。
さらに、24時間の介護が必要になると、外部サービスだけではサポートできなくなる可能性も考えられます。
その結果、入居後に病気などにより要介護度が高くなると、住み続けるのが難しくなってしまうことも。
介護や医療的ケアに不安や心配がある方は、手厚い介護サービスが受けられる「介護付有料老人ホーム」などがひとつの選択肢になります。
住宅型有料老人ホームを選ぶときのポイント
住宅型有料老人ホームを選ぶ際にチェックすべき項目は下記のとおりです。
- ホームの立地や設備・雰囲気に本人が満足しているか
- 支払いは無理のない範囲の費用か
- 十分な健康管理・生活支援サービスを提供してくれるか
- 満足できる食事を提供してくれるか
自炊や入浴が好きなら、キッチン・浴室が付いた居室を選ぶとよいでしょう。
光熱費や水道料金はかかりますが、落ち着いて過ごせる環境を選ぶことは大切です。
なかには仏壇を持ち込めるホームもあります。そしてまだ数は少ないですが、条件付きでペットと暮らせるホームもあります。
今後の生活をイメージしながら、どのように暮らしていきたいか、その希望を叶えられるホームはどこなのかを確認しましょう。
なお、ベネッセでは、資料請いただいた方に特別冊子「老人ホーム選びがよくわかる本」をプレゼントしています。
ホーム選びの悩みが解決するヒントとしてぜひご活用ください。
住宅型有料老人ホームに入居するまでの流れ
住宅型有料老人ホームに入居するまでの基本的な流れを説明します。
- ①情報収集
- ②見学・体験入居
- ③本契約・入居
希望のホームへスムーズに入居するためにも、事前に確認しておきましょう。
①情報収集
入居者と話し合ったうえで、ホームに求める条件を明確にしましょう。
条件に該当するホームに問い合わせて資料請求をしたり、ウェブサイトを見たりして特徴や費用を把握します。
人気のホームは満室になっている場合もあるため、いくつか候補を考えておくことをおすすめします。
なお、担当ケアマネジャーの意見を参考にするのもひとつの方法です。条件を満たしたホームを探し、紹介してもらえる場合もあります。
②見学・体験入居
入居を希望するホームが見つかったら、見学会に参加しましょう。
見学会の参加は予約制となっているホームが多いため、電話やウェブサイトなどで予約を取ります。
なお、見学で気に入ったホームには、有料ショートステイを利用して数日間体験入居してみることもおすすめです。
実際に体験入居することで、見学だけではわからなかった部分を肌で感じることができるでしょう。
- 入居したらどのような生活を送ることになるのか
- 自分らしく暮らせそうか
を判断するために大変有効です。
また、「健康診断書」や「介護保険被保険者証」などの入居時に必要な書類のほか、疑問・質問点は聞いておきましょう。
そして、入居を希望する場合は申し込みを行い、その後面談や入居審査となります。
③本契約・入居
本契約の時には、「重要事項説明書」を用いて契約内容の説明を受けます。
重要事項説明書には、サービス内容や設備、費用など幅広い情報が記載されています。
重要な情報が記載されている書類なので、必ず詳細まで確認を。
入居日の確認も忘れずに。荷物をまとめたり挨拶をしたり、余裕をもったをこころがけましょう。
住宅型有料老人ホームについてよくある質問
住宅型有料老人ホームに関する、よくある質問をまとめました。
- 特別養護老人ホーム(特養)との違いは?
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)との違いは?
順番に見ていきます。
特別養護老人ホーム(特養)との違いは?
特別養護老人ホーム(以下、特養)は、介護老人福祉施設とも呼ばれる公的施設です。
住宅型有料老人ホームと特養の違いは以下のとおりです。
住宅型有料老人ホーム | 特別養護老人ホーム(特養) | ||
---|---|---|---|
運営 | 主に民間企業が運営するホーム | 地方自治体の助成を受けた社会福祉法人 地方公共団体が運営する公的ホーム |
|
目的 | 自立~要介護の高齢者が生活支援を受けて生活する | 介護を受けるためのホーム | |
入居条件 | 主に65歳以上の人 自立~要介護5 |
原則65歳以上で要介護3以上の人 | |
費用目安 | ・入居金が必要 ・月額15~30万円 |
・入居金はなし ・月額6~15万円 |
|
居室 | ・基本的には個室 ・居室の広さ:13㎡以上 ・バリアフリー |
相部屋になることが多い(近年はユニット型個室が増加) | |
サービス | 食事・洗濯・清掃などの生活支援 | ・介護サービス 生活援助 |
特養は、福祉の観点から要介護度が高い方や、生活保護受給者の入居などの公的支援に力を入れています。
そのため、費用は住宅型有料老人ホームより抑えられています。
介護サービスも受けられるため、需要の高い高齢者入居施設のひとつです。
しかし、設備は住宅型有料老人ホームほど充実していない場合が多いようです。 また、介護度が低い方は特養に入居できません。
特養の詳しい概要については、下記の記事にまとめています。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)との違いは?
サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)とは、スタッフによる「安否確認」と「生活相談」が受けられる賃貸住宅です。
サ高住は、健康で自立した生活が可能な人を対象としています。
一方、住宅型有料老人ホームは対象者が幅広く、基本的に自立~要介護者でも利用可能です。
住宅型有料老人ホームとサ高住の違いについては、以下の表で簡単にまとめています。
住宅型有料老人ホーム | サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | ||
---|---|---|---|
管轄 | 厚生労働省 | 国土交通省 | |
目的 | 自立~要介護の高齢者が生活支援を受けて生活する | 生活支援を受けて生活する | |
入居条件 | 主に65歳以上の人 自立~要介護5の人 |
原則60歳以上 自立・要支援・要介護の人 |
|
契約形態 | 利用権方式 | 賃貸借契約 | |
費用目安 | ・入居金が必要 ・月額15~30万円 |
【敷金】 ・一般型:数万円~数百万円 ・介護型:数万円~一部に数千万円 【月額利用料】 ・一般型:5万円〜25万円 ・介護型:15万円〜40万円 |
|
居室 | ・基本的には個室 ・居室の広さ:13㎡以上 ・バリアフリー |
・居室の広さ:25㎡以上(条件付きで18㎡以上も可) ・トイレや洗面など設備 ・バリアフリー |
|
サービス | 食事・洗濯・清掃などの生活支援 | ・安否確認 生活相談 |
両者の大きな違いは、入居する際の契約形態です。
サ高住は「建物賃貸借契約」を交わすのに対し、住宅型有料老人ホームは「利用権方式」となります。
利用権方式とは、入居金を支払うことで、居室・共用施設を利用する権利や、生活支援サービスを受ける権利が保障される方式です。
自分の意思・ペースで生活を送りたいと考えている方は、生活の自由度が高いサ高住を選択する傾向にあります。
なお、サ高住には「一般型」と「介護型」の2種類があります。
一般型 | 介護サービスは個別で契約することで必要な分だけ受けられる | |
---|---|---|
介護型 | ホーム内で介護サービスを受けられる ※費用は介護度別の定額で一律 |
サ高住のなかでも「一般型」では、基本的に介護サービスを必要としない方を対象としています。
生活の自由度が高く、住宅型有料老人ホームのようにスタッフの人員基準は定められていません。
一方、「介護型」では厚生労働省が定める「特定施設」に指定されており、看護職員・介護職員が日中常駐しています。
介護サービスが受けられ、健康相談や生活の中での困りごとを打ち明けやすい環境です。
まとめ
本記事では、住宅型有料老人ホームについて詳しく説明しました。
住宅型有料老人ホームでは、見守りや生活支援サービスを受けながら、ライフスタイルに合わせた生活を送ることが可能です。
介護サービスが必要になった場合は、外部の介護事業者と別途契約して利用できます。
住宅型有料老人ホームもさまざまあるため、入居先を選ぶ時は迷うこともあるかと思います。
不安がある場合は、地域包括支援センターや老人ホーム紹介センター、ケアマネジャーに相談してみましょう。
ホーム選びの悩みにもしっかりと寄り添ってくれます。
「第二の自宅」となるような、ご自分らしく暮らせるホームを検討していきましょう。
なお、ベネッセでは地域やご予算に合わせたホームの資料をお送りしています。
ホーム選びで迷っている方はぜひご活用ください。
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FPリフレッシュ代表、CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、住宅ローン・アドバイザー
FPリフレッシュ代表、CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、住宅ローン・アドバイザー
「高齢期の住まい」に着目し、東京や神奈川を中心に、介護付有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、240ヶ所以上を訪問。現在、「終のすみか探し」コンサルタントとして、シニア期の住まい探し・住みかえ、執筆、講演と、幅広く活動している。