高齢者向け住宅とは?
高齢化が進み、高齢者が暮らしやすい住宅が増えてきています。その代表が「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」です。敷金2ヵ月程度で入居できるところも多く、見守りと生活相談までついた、バリアフリーの賃貸住宅です。都市部を中心に全国で25.8万戸あります(※)。このほかに、シニア向け分譲マンションがあります。高齢者の生活に配慮がされた所有権のあるシニア専用の分譲マンションで、レストランで食事ができ、大浴場があるなど、共有スペースが整備されています。特に、建物内にクリニックなどが併設されている物件は人気があるようです。
※参照情報:サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム(令和2年8月末時点)
※記事の内容は2020年8月時点の情報をもとに作成しています。
高齢者向け住宅の種類
施設の名称 | サービス付き高齢者向け住宅 (サ高住)詳しく見る |
シニア向け分譲マンション詳しく見る | |
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入居対象者 | 自立 |
〇 | 〇 |
要支援 | 〇 | × | |
要介護 | 〇 | × | |
入居時の費用※1 | 原則として不要 (敷金として家賃の2ヶ月分程度) | 1,500万円~1億数千万円程度 | |
月額費用(目安) | 10~25万円程度(食事代込みの場合) (介護サービス費がかかる場合は別途) |
管理費3.5~15万円、 修繕積立金、固定資産税など。 (食事代は別途) |
|
付帯サービス | 食事 | △(別途契約が必要。ほとんどについている) | 〇 |
緊急時の対応 | 〇 | 〇 | |
介護 | ×(外部サービスを利用) | × | |
終のすみかになる | △※2 | × |
- ※1 入居時の費用は、あくまでも目安。各住宅により異なる。
- ※2 稀に看取りまで行うサ高住もある。
「サ高住」と「住宅型有料老人ホーム」の違いは?
最近急激にその数を伸ばしている「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は、高齢者向けの設備やサービスがつけられた賃貸住宅として2011年にスタートしました。ところが実際には食事を出すなどのサービスをしているところが多いため、厚生労働省は2015年7月から「サ高住」を有料老人ホームの一種として位置づけました。とはいえ、既存の有料老人ホームとはさまざまな違いがあります。そこで、健康な状態で入居でき、介護が必要になったら外部の介護サービスを受けるしくみが「サ高住」とほぼ同じである「住宅型有料老人ホーム(住宅型)」との違いを見てみましょう。
大きな違いは、設備面、サービス面、金銭面です。「サ高住」にはバリアフリー設備という以外は、設備に対する義務はありません。一方、「住宅型」は、ストレッチャー用エレベーター、汚物処理室などの設備、スプリンクラーの設置などが義務付けられています。サービス面では、「サ高住」は「生活相談、日中の見守り」サービスは必ずついていますが、それ以外の「夜間の緊急通報、食事、ゴミ出し、洗濯、通院の同行」などは任意の有料サービスになっています。金銭面では、「サ高住」は入居一時金が要らず、月額費用も比較的安く設定されていますが、必要なサービスを受けようとすると別に費用がかかって高くつくかもしれません。
一口に「サ高住」と言っても、生活支援サービス、介護サービス、健康管理サービスに力を入れているところなど、住宅によってかなり差があります。設定されている費用にどんなサービスが含まれているのか、有料老人ホームも含めてしっかりと比較検討することが必要でしょう。